 【写真-1】
教会から更に坂を登ると写真-1の気象観測所に突き当たる。日本でいう気象庁の観測所で、略称は『PAGASA』。かつてヨットに乗っていた時、天気図作成時に聞いたラジオの『気象通報』はここの観測所データかと思うと感慨無量。

【写真-2】
ところが、写真-2の中央に写るレーダー棟の上部はご覧のように破壊されたままになっている。2016年9月にバタネス地方を襲った猛烈な台風で吹き飛ばされ、そのレーダーの残骸が棟の右下地面に横たわったままになっている。
 【写真-3】
構内には入れレーダーの残骸を撮ったのが写真-3。こんなコンクリートで固めた基部ごと飛ばされるなど、想像を絶する風の強さだが、このレーダー装置はアメリカ・アラバマにある気象レーダー会社製で、復旧の目途は全くない。
 【写真-4】
写真-4で分かるようにバスコの町と南シナ海を臨む山の稜線に観測所はある。この反対の太平洋側も同じように開け、観測所は穏やかな時は眺望抜群でもどのような方向の風からも逃げられない吹きっさらしの位置に建っている。
 【写真-5】
写真-5は構内にあった『百葉箱』。小学生の頃温度と湿度を計った想い出を持つ。レーダー施設が駄目になったので、現在観測所は人間の手で観測しデータを出しているらしいが、電子機器に慣らされた船乗りには不評とのこと。
 【写真-6】
これは『雲量計』で、丸い球体に雲と空が写って面白い。バスコの観測所は台湾とフィリピンの間にある強風で知られるバシー海峡の重要な観測地点で、フィリピンの気象通報地点はもう1つ、マニラ国際空港内で観測されている。
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