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個人崇拝と全体主義 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  個人崇拝と全体主義
 

 重体説が長らく伝えられていたタイの前国王『ラーマ9世』が亡くなったのは1年以上前の20161013日で、1年の服喪後に遺体を火葬にする儀式が先日行われた。


 この1年間、タイ政府は喪に服し、タイ国民は服喪を表すために黒い服を着ていたというから、あのバンコクも色を失った感じがすると思うが、猥雑さで知られる歓楽街はどうであったのか、いつも通りだったと思うがその辺りは分からない。

 それにしても1年も遺体を置いておくなどタイの王族のやり方なのだろうが、遺体を荼毘に付すためにわざわざその施設を、しかも一度きりしか使わないのに数十億円もかけて、造るなどどう見てもおかしい。

 もっとも、世界の王族の資産ランキングで第一位、推定350億ドルを持つタイ王室と囁かれているくらいだからそんな金など何でもない支出だろうが、国事行為として税金が使われたのではないか。

 とまあ、タイ国民が聞いたら眼を回しそうな書き方だが、別にタイ国民を貶める気など毛頭ない。むしろ私などは『タイ好き』の人間で、フィリピンでなかったらタイに住んでいたかも知れないと思うくらいである。

 実際、数年前にタイの隣国ラオス・ヴィエンチャンに仕事で滞在していて、週末にはラオスからメコン河を超えてタイのノンカイへ行き、また帰ってくることを何十回も繰り返した。

 この辺りは本HPで色々書いているので略すが、写真はラオスを離れる直前にタイの鉄道を利用してタイ北東部を旅行した時に撮ったもので、その旅行記も『
タイ鉄道 各駅停車の旅』の題で本HPに書いた。

 タイ鉄道の駅には必ずタイ国王の肖像が飾ってあって、この写真に写っている人物はタイ警察の人間と思うが、たまたまその傍に立っていただけで警察が国王の肖像を警戒、警備しているわけではない。

 

 この写真を撮った時期はタイ国王の重態が伝えられ、国内では国王の快癒を願う肖像を街の至る所で見かけたが、どの肖像も若かりし頃の映像で、実像は認知症ではないかと小生など思っていた。

 というのはタイでは映画館では上映前に愛国心と国王への忠誠心を養うために毎回2本の短いフィルムが上映されて、国王のフィルムが上映される時は必ず席から立つようになっている。

 これはタイ語の分からない外国人向けに席を立つようにとの英語の表記もあって、タイ語が分からないので知らなかったと言い訳できないようにもなっている。

 

 そのフィルムの中に国王の割合最近と思われる映像があって、その表情から私などは認知症ではないかと思ったのだが、こんなことはタイでは口が裂けてもいえないことで、外国人といえども王室を侮辱したという理由で逮捕、裁判に至る。

 

 タイでは『不敬罪』が厳然としてあり、王室への批判は不敬ととらえられ、タイ国民は勿論、外国人も批判をしただけで獄に繋がれる、恐ろしいといえば恐ろしい国で『微笑みの国』など国の構造は真っ赤な嘘。

 

 批判を許さない国といえば、やはり北朝鮮を筆頭に中国、あるいはロシアといくらでもあり、社会主義国だけではなく、アメリカもトランプなどやはり批判を忌避しているし、日本の安倍も批判されると早口になって、その動揺ぶりから未熟な人物と分かる。

 

 アフリカ諸国なども選挙のある民主主義制度を取っているとはいえ、形ばかりで実態は既得権力の独裁国家が多く、批判すれば命が危ない国などいくらでもある。

 

 このフィリピンにしても今の大統領は『力が政治』と思っていて、銃による政治を進めているが、昔からフィリピンは反対勢力を力で排除する思想が蔓延していて、その土台の上に立っているから、大統領個人の資質とだけとは言い切れない。

 

 人に優しいフィリピンと評価はあるが、犯罪事件などでは目撃者はあっても報復が怖くて名乗りを上げず、むしろ自己防衛の方が強い。これは上述の昔から目の上のたんこぶは力で殺されている背景があるからで、一概に責められないが『長い物に巻かれろ』は日本より露骨かも知れない。

 さて、タイの王室に戻るが、小さい時から王室は絶対、敬うべきものとして教育、刷り込まれていれば、王室に対して無批判、従順な人間は簡単に作られ、これは戦前の天皇に対する日本人の在り方を思えば簡単に分かる。

 

 北朝鮮なども日本の天皇制を学習していると思うような崇拝の仕方で、外部から見れば北朝鮮国民は貧しく大変な国と思われているが、その北朝鮮国民自身は今の体制は『幸せ』と思っているのではないか。

 

 こういった政治指導者が元首だろうが象徴だろうが、その言い方は違えども国民の上に君臨し、統治する政治形態は唾棄すべき代物で、今の日本が戦前回帰への道を歩んでいる動きに危惧を抱いている。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2017/12/04 (月)

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