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1989年6月4日の天安門事件から30年 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  1989年6月4日の天安門事件から30年
 

 天安門事件の起きた1989年当時、小生はアフリカに住んでいて、遥か彼方の中国で事件があったニュースは直接伝わらなかった。


 日本帰国後に天安門事件の概要が分かり、中国は相変わらず『暗黒国家』だなと再認識したが、学生時代には第2語学で中国語を取ったくらいであるから、中国には関心は高かった。

 学生時代の中国は『文化大革命』の真っ最中で、『造反有理』というスローガンが日本の学生にも影響を及ぼし、既成の権力が否定され、ある意味では日本も戦後の残滓を精算できるチャンスでもあったがそうは甘くはなかった。

 文化大革命については主導した最高権力者の毛沢東の妻以下『四人組』が逮捕されて終息を迎えるものの、歴史的評価は定まらず、中国にしてみれば向き合いたくない文化大革命時代であるが、その本質は権力闘争であったことは間違いなく、若い学生や労働者が利用されたことは間違いない。

 文化大革命が始まる前の日本の大手マスコミなどは盛んに発展する中国の様子を書いていたが、中でも『中国から乞食と蠅がいなくなった』は印象的で頭に残ったし、そういうこともあるのだなと妙に感心した記憶がある。

 その後、1990年代初頭に初めて中国南部を旅行したが、この時は香港でヴィザを得て、九龍鉄道で中国本土の広州へ入り、途中、現在IT先進地として注目を浴びている深圳駅では、菅笠にモッコを担いで線路を補修する姿を見て、清朝時代の彼方に遡った印象を受けた。

 その当時でも深圳は経済開発が進んで高層のビルが荒野の中に生えたような感じであったが、列車から眺めた様子は荒々しい光景であり、その印象は後年中国に住んだ時でも変わっていなかった。

 広州駅では持ち金やカメラやラジオの台数などを記入するが、外国人は人民元を使えなくてドルを『兌換券』に交換して使うが、そのため、駅を出ると『ドルを持っていないか』という人間が摺り寄って来たし、市内のデューティー・フリー・ショップ前には物欲しそうな人々が群がっていた。

 こういった店は外国人しか入れないためだが、中に入って品揃えを見たら外国産の酒や煙草は揃えていたが、他は変哲もない日用品を並べていて、どこがデューティー・フリー・ショップかと思った。

 そういった時代を知っている小生としては日本における中国人観光客の『爆買い』現象などを考えると、良くも悪くも時代は常に変わると認識させる。

 その後、1990年代半ばから広東省で仕事をするようになり、深圳には都度行ったが、高層ビルの谷間谷間は旧来の街並みが残り、田舎の町という印象は拭えなかった。

 その中国駐在中の19972月に『天安門事件』の弾圧を命令した『鄧小平』が92歳で死んで、勤務先で鄧小平の死亡が大ニュースになっているかと思いきや、そういった話題は上がっていなくて、外国人の小生が関心を持っていることに逆に関心を持たれたくらいであった。

 後で中国人に聞いたら『政治家の死は中央、北京だけの関心毎であり、経済中心の広東省では話題にならない』と述べ、成程、あの広大な中国大陸の地政的な観点を考えると、中国は地方政権の合体で出来ていると思った。

 鄧小平は香港をイギリスから取り返すものの、その返還を見ずに死んだが、50年間は香港の自治を認める『一国二制度』という巧妙な枠で香港を取り込み、しかも50年間は保証したが、香港の自治は著しく侵食され『民主』を主張する人々への風圧は増している。

 この鄧小平が弾圧した天安門事件については、中国政府も敏感で中国内ではインターネットで検索が出来ない状態で、そういった歴史の事実を隠蔽するのに躍起になっていて、64日に因んだ64をネット上に並べると削除されるというから世も末である。

 こういったことが出来るのも、数万人といわれるインターネット監視組織がチェックしているためで、この他街頭の監視カメラなどを使って個人を特定する技術と機材は中国は世界でも一番となっている。

 アメリカと中国が問題視しているIT企業フアウェイの5G問題にしても監視カメラによる個人特定技術と関係が深く、人権など露ほどもない中国だから進んだもので、中国政府が国策として開発したことが分かる。

 この監視カメラによる個人特定は2020年の東京オリンピックで導入の動きがあり、日本のNECなどが盛んにその技術を宣伝しているが、NEC自体日本の軍需産業の大手だから人権を侵害する監視技術開発などお手の物である。

 そういえば、先年久し振りにシンガポールへ行った所、交差点などに設けられた監視カメラの多さには驚かされたが、中国系というのはこういった監視をすることに抵抗がないのかも知れない。

 さて『天安門事件』はその真相が明らかになっていなくて、政府発表では死者は300人程度となっているが、死者1万人という説があり、話半分と見ても5000人は死んでいるから『内乱』状態であったことは確かである。

 こういった真相が定かにならないのも、中国を支配する中国共産党の隠蔽工作体質から来るものだが、この中国共産党もしぶといといえばしぶといが、党、党員として既成の特権を守ろうとしたら思想も理想も空論であることが分かる。

 一党独裁という政治形態がこの世界に何ヶ国あるのか分からないが、多数派ではないだろうし、一途独裁というのは政治的な主張はあってもその実態は『利権』を維持する組織であり、利権を崩す勢力に対して中国の権力闘争、特に民主化を目指す動きには容赦なく、天安門事件もその延長線と見て良い。

 こういう一党独裁を潰すには選挙で政治指導者を選ぶしかないが、中国人民には最少の権利である選挙権がなくてどうにもならず、民意が反映されては困る国にはもってこいの措置である。

 このため、中国は確かに経済は大きくなったが、選挙権が誰しもに与えられない限り『二流の国』の批判は免れない。

 最後に、学生時代に聞いた『中国には乞食と蠅がいなくなった』の話だが、住んだ広東省では乞食は珍しくなかったし、蠅などいくらでもいたが、さすがに中国というのか乞食も哲学者めいた風貌をしていた。

 暮らしぶりでは、アパートの窓から外に向かって塵芥を放り投げるなど珍しい光景ではなく、こういった世界で暮らしている中国人は世界に出て行くと批判、非難される存在だなと思ったが、実際そうなって世界中で中国人観光客のマナーの悪さが指摘されている。

 この先、中国はどこへ行くのか分からないが、有産階級と最貧民層の格差はフィリピン以上というから、既に社会主義の旗は失っていると断定して良いが、天安門事件から既に30年かあるいはまだ30年かと思って注視する必要がある。

 


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2019/06/12 (水)

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