中国発の新型ウィルスによって世界は大騒ぎの中、中国に続いて感染者が多く出ているのは医療体制は盤石であるはずの日本とあって、奇異の目で他の国から見られている。
【写真-1】
このウィルスは昨年12月に湖北省武漢市で発生が確認され、同省を中心に感染患者数はこれを書いている時で7万人を超え、死者も2000人を超えたから正しく怖れる必要がある。
各種ニュースを纏めると毎年流行する『インフルエンザ』と変わりなく、感染力は強いが重篤になるのは免疫力の低い人、持病を持つとか抵抗力の弱い高齢者が多く、無闇に恐怖心を持つのは問題ということになる。
それでもインターネット時代にはいわゆるガセネタも多く出回り、それに一喜一憂する人も多いのも事実で、そういうデマ情報に踊らされるそちらの方の害も毎度ながら問題になっている。
そういった騒ぎの中、人が集まる場所では感染のリスクが高いとして不要不急の外出は避けてと叫ばれ、このためコンサートや各種催し物で続々と中止する動きが顕著になっている。
その中でも3月1日に開催される『東京マラソン』が、一般参加者を除外して招待選手など限られた選手だけで行う旨の決定が成され、各方面に余波を及ぼしている。
今年の参加者は3万8000人と発表されているが、内招待選手176人、車椅子参加者30人だけでレースを開催するが、こんなショボクレたレースなどやらずにいっその事中止をすれば良いと思うが、主催する東京都はそうも行かないようだ。
これは新型ウィルス騒ぎが収まる見通しがないまま長引き、7月の東京オリンピックまで中止の事態に至ることを避けようとする思惑が国、東京都にあるためで、今や興行団体と化したIOCなど初めにオリンピック開催ありきだから、東京にいくら病気が蔓延しても強行開催するであろう。
また、実施を強行する今回の東京マラソンは今年行われる東京オリンピックのマラソン代表選考も兼ねているために、完全中止に出来ない事情はあるものの、元々市民ランナーの大会として発展してきた大会が市民を排除してしまうとは理念に反する。
それでも選手の方で参加拒否して、実施中止に追い込めばスッキリするが、走ることを職業としているプロ選手は生活もかかっているからそうも行かないし、走ることしか頭のない連中だから無理というものか。
排除された一般人もフル・マラソンを走るくらいだから、体力、免疫力も高く、巷間怖れられている新型ウィルスにも強いはずで、消沈気味の世相を浮揚させるためにも東京マラソンを実施した方が良いと思うが。
大会中止は急遽決められたが、驚くことに参加を申し込んだ一般走者の参加料は返却しないとなって、マラソン大会など大した参加料でないと思っていたら、一般参加費16200円、海外からは18200円と、そのべらぼうな高さには驚いた。
この数字から主催団体は6億円以上の参加費収入があることが分かり、その他スポンサーCM収入が27億円にも及び、たった年1回開催するスポーツ・イヴェントに33億円以上の巨額な金が動いていて、正に興行と言って憚らない。
法外ともいえる高額な参加料を払っても東京マラソンで走りたいというランナーは多く、毎回抽選倍率は話題になり、今年は11倍だったらしいが、せっかく当たってもこの様ではほとんどが落胆しているのは目に見えている。
 【写真-2】
今回の大会を目標に練習を重ね首尾良く参加が決まった一般ランナーには惨い決定で、せめて主催者は払い込んだ参加料を返金するべきで、主催者側は大会規約を盾にとって応じないらしいが、つまらぬ芸能人のコンサートでも中止の時は払戻すのだから、儲ける必要のない団体が主催なのに理不尽である。
ウィルス発症の地、中国からも1820人が走る予定であったが、これなど早々と主催者側から参加を取り止める措置に出て、こちらは来年の参加権は保持したのは良いが、参加の場合改めて高額な参加費を払うとなっているから呆れる。
そういう気の滅入る東京マラソンはそのくらいにして、セブで開催されるマラソン大会のことに触れてみたいが、写真-1はセブのショッピング・モール内で見かけた大会の告知で、2月16日開催だから既に終わっている。
スポンサーはSMというロゴが見えるように、フィリピン最大の小売り業を傘下にするシューマートで、セブには3店舗を構え、その内の2店舗間の道路を走る様にコースは設定されている。
下の方に走る距離が表記されていて、下から4K、8K、12K、21Kとあるのは走る距離を示していて、4つのカテゴリーに分かれているが、一番長い21Kの参加料が950ペソ(約2000円)だから、法外な参加料を取る東京よりはかなり安いのは確か。
これで注目したいのは21Kのスタート時間で、午前3時30分、以下30分毎にスタートがあり、最も短い4Kのスタートが5時となっていることで、日本でもそうだろうが今の時期は真っ暗である。
フィリピンの各地で開催されるマラソン大会はこのように真っ暗い内にスタートしていて、これは日が昇るとすぐに気温が上昇して走れなくなるためだが、それにしても午前3時にスタートともなれば時間調整が大変で、前夜などほとんど眠れないのではと思うから気持ちの上でも過酷である。
小生も日本に住んでいた時はランニングを趣味とし、いくつかの大会にも出たことがあり、セブに住むようになってセブの大会に出ようと思ったことは何度もあるが、スタートが午前4時とか5時では走る気は失せ、結局セブでは走る機会はなかった。
写真-2は写真-1の大会のコース図になるが、図の一番上がスタート地点となるSMのショッピング・モールで、海沿いに走って12Kとある地点がSMの新しいショッピング・モールで、このモールはセブ市が日本のODA資金を使って埋め立てた地にあり埋め立て面積は300ヘクタールある。
この道路は車専用の様になっていて沿線には民家はない新開地のため走り易く、参加者が何人になるか分からないが、フィリピンも健康志向が強くランニングは人気が出ていて1000人以上は走るだろうから、管理はし易いコースである。

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