日本でまだ許可のされていない新型コロナ・ワクチンを、既に接種した金持ちが相当数いると話題になったが、伝わる数は10数人程度と可愛いもので、日本同様ワクチン接種はまだ許可されていないフィリピンなど、10万人単位でワクチンを闇で接種している。

【写真-1 セブで定評のある中国系の富裕層向けの病院】
この自己中心というより犯罪的よもいえる連中は、フィリピン国内でオンライン・カジノを運営する企業に働く中国人従業員で、昨年11月に接種をしたという。
オンライン・カジノというのはインターネットを利用したギャンブル業で、他の国では営業を認めていないためと、場所と人間さえあれば運営出来るので、フィリピンはいわゆるコールセンターと同じように政府は積極的に認可を出している。
しかも、その多くはギャンブル禁止の中国大陸向けと韓国向けで、当然中国語と韓国語が使われ、そのために中国や韓国から従事者がフィリピンに渡り業務を行っているが、数の上では先述の10万人にワクチン接種したのではのニュースが流れた様に中国人が圧倒的に多い。
このギャンブル業に就く連中がヴィザなど正規の手続きを踏んで従事していれば問題はないのだが、多くは違法就業で中国人グループが数百人単位で時々摘発されるが、氷山の一角である。
このオンライン・カジノ従事者10万人ワクチン接種以外にも、適法だろうが違法だろうが立場を選ばずにコロナには感染するので、それを対象にした闇営業の中国人の診療所が摘発されるなど、フィリピンでこの連中はやりたい放題。
フィリピンには中国系が人口の1%といわれていて、それだと120万人くらいだが、この数字はフィリピン人と交わらない純粋の中国系と見て良く、中国系の血を引く者や違法状態でフィリピンに住むのを加えればその倍以上の数になるのではないか。
新型コロナは人種や国籍を選ばずに感染するから、自分達だけの集団の安全を図って対策を練ってもあまり意味はないと思うが、先述したオンライン・カジノ・グループ以外にも、政府職員の中にワクチンを接種している事実が分かった。
これはドゥテルテ大統領を警護する隊員達で、大統領に感染させないためと政府は説明しているが、肝心のドゥテルテ自身は接種していなくて、伝わる話ではワクチンを信用していないからだといわれる。
これらは表に出た話であって、フィリピンは政府要人、軍、警察、政治家などの権力側に立つ層や、経済界要人以下富裕層など中国から密輸されたワクチン接種はかなり進んでいるのではないかとの憶測も出ている。
この様に表も裏もいつも通りシッチャカメチャカなフィリピンだが、今回の新型コロナ禍で感染者は累計50万人を超え、先日には累計死者1万人を超えてしまった。しかし、1日当たりの感染者数が2000人を切るようになって、感染が下降気味になっていて、さしもの新型コロナも収まって行くのかと希望的観測も流れる。
そう思わせるのも、日本が異常な感染爆発を起こしているためで、東京都など1日当たり感染者数がフィリピン全土の感染者数より遥かに多くなっていて、一体どうなっているのかと驚くばかり。
かつてフィリピンで新型コロナが猛威を振るっていた時期、日本とフィリピンの感染者数は日本を1とすればフィリピンは5倍近くの数であったが、今や日本は35万人に達しその比率は35対50となっていて、いかに日本が酷くなっているか分かる。
そういう事態になっても繁華街や駅の人出は減ったとは思えず、週末になると普通に出歩く者多く、日本はどう見ても感染への危機感は感じられず、こうなると自業自得といわざるを得ず、思い切って国内の全ての経済、社会活動を2週間完全に止めるくらいでないと収束は難しい。

【写真-2 その病院からのセブ市街遠望】
そういった中、ワクチンが救世主の様に扱われ、国によっては公に接種は始まっているが、一部の新型コロナ・ワクチンは従来のワクチン開発とは違い、遺伝子情報を使った新しい製法を採用している。
しかし本当に大丈夫なのかという懸念が強く、遺伝子といえば農作物で遺伝子組み換えがあれほど騒がれているのに、身体に直接注入するワクチンに関しては無防備なくらい騒がれていないのも不思議な感じがする。
実際、ワクチン学者や医療従事者でも自分は接種をしたくないと公然と言っているし、普通の人でも積極的に接種したいというのは半分にも満たず、多くは様子見となっている。
これも本来は数年かかるワクチン開発が1年未満で実用に漕ぎ付けてしまったことで、人間への治験データが不足のまま見切り発車の様に見え、現在接種をしている人の効果を見てから考えようということに尽きる。
さて、フィリピンのワクチンの状況を見ると、現在アメリカのヤンセンファーマと中国のシノバックとクローバー3社から出されていたワクチンの国内治験(臨床試験)申請を許可した段階で、すぐに接種開始には至っていない。
ただし、ファイザー製ワクチンに関してはWHOが緊急使用を承認しているために、フィリピン国内でも接種出来るとしていて、既に接種が行われているとの情報もあるが、推測ではあるが金に飽かせた富裕層が高級な病院で接種しているのではないか。
一応、フィリピン政府はこれらワクチンは無料で誰でも接種すると表明しているが、実際は多数を占め一番新型コロナに罹患している貧困層に回って来るのは先の話で、ここでも貧富の格差が出て来る。
日本は住民一律10万円の再給付がどうとかの話が出て来たが、フィリピンは貧困層向けに数千ペソ(1万円)の支給や食料の現物給付がやっとで、ましてや打撃を受けた産業への支援など全くなく、せいぜい税金徴収を遅らせるとかいった程度である。
そのわずかな支給金も、その窓口になったバランガイといわれる行政組織の連中がネコババしたのが全国的に多数発覚して問題になっているが、こんなことは前から予測されていたことで人の不幸で肥え太る人間は国を問わず居るが、フィリピンは特に多い。
例えば国内の健康保険の様なものを業務とする『フィルヘルス』という政府機関があって、この機関、コロナ対策で莫大な予算が政府から降りて来たのを良いことに多数の使途不明金が発覚し、幹部連中と病院が結託して懐に入れ食い荒らしたと、トップ以下大勢の幹部が停職処分を受け調べられている。
また、先のワクチンにしてもフィリピン政府が購入するワクチン代金が近隣国の3倍もの値段がすると、議会で問題になっていて、恐らく間に入った政治屋連中やブローカーが火事場泥棒的に儲けようとして上乗せしたのだろうといわれて、フィリピンの『汚職天国』ぶりは全く治っていず、汚職に効くワクチン開発が望まれる。
最後に、ワクチンを接種すれば新型コロナに感染しないという誤った情報が流れていて、それが世界中で気の緩みに繋がっているが、このワクチンは接種をした場合、しないよりは症状が軽く済むのだと正しい情報を伝える必要があるのではないか。

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