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フィリピンのオリンピック関心度 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  フィリピンのオリンピック関心度
 

 日本で1年延期、今年7月開催予定の2020東京オリンピックの風向きが怪しくなっていて、内外から中止あるいは再延期といったニュースが、年を明けた頃から多く流れるようになった。

 


【写真-1 セブにある多目的グラウンド】

 

 特にイギリスの有力紙が与党有力者の話として載せた、もう東京大会は中止して、2024年パリ大会、2028年ロスアンゼルス大会の次の2032年大会が決まっていないから振り替え開催するよう政府内で検討したとのニュースは生々しかった。

 これが本当だとしたら、2020東京大会は幻となり、この肥大し過ぎたオリンピックに出るために頑張って来た選手のピークは過ぎてしまうし、12年先に同じ様に選考される保証はほとんどない。

 全部とは言わないがメダルを獲って芸能人並みに有名になり、その後の人生は薔薇色になると設計していた選手は泣くに泣けず、文字通り水泡に帰す訳だが、大変ですねとは思うものの同情する気はない。

 日本人のオリンピック好きは世界でも有名だが、それを世界の国で俯瞰して見ると、2016年リオデジャネイロ大会は史上最多の参加国・地域数が206を数えたが、国によってはオリンピックなど知らない、関心のない所も多くフィリピンもその一つの国に入る。

 フィリピンではアメリカのニュースやヨーロッパのニュースは多く流れるが、これは数百万人を数えるフィリピン人移民者、労働者がこれらの国に住んでいるためで、多くの新聞にはアメリカあるいはカナダ専門のニュースを扱う紙面が設けられている。

 

 それも、政治や経済関連が多く、スポーツに関してはフィリピンで盛んなバスケットボール関係ばかりで、大リーグの野球やサッカーなどがたまに載ることはあるが、オリンピック関連記事などもっと扱われない。

 

 そういった中、先日フィリピンの大手英字紙に東京オリンピックに関しての記事が出たので紹介したいが、この記事もロイターが配信したものでフィリピン人の目を通した内容でないのが惜しいが、ロイターの外信記事にフィリピンの編集者も関心を示したのは確かである。

 

 記事の見出しは『Tokyo Games may be too big a gamble, disease expert says』とあり、日本語に訳せば『東京大会は大きなギャンブルになる、と病気の専門家は述べる』となり、内容は開催について悲観的な見通しを書いている。

 

 この記事では開催費用を154億ドルと書いていて日本円にして1兆6000億円ほどだが、この数字はどこから出たかのか分からなく、実際はこの倍の3兆円を超すのだが、日本政府はこの大会を中止すると財政的損失が生じるため、何が何でも開催する方向であると書いてある。

 

 しかし、感染症専門家によると現在の日本の爆発的な感染状況からは、この考えは性質の悪いギャンブラーと同じ考えで、元を取り戻すために更に金を注ぎ込み大損するのと同じで、中止する方がより損失は防げると指摘している。

 

 とまあ、2020年東京大会は中止が妥当という記事内容で、日本政府やオリンピック関係者がワクチンを接種すれば大会は何とか開催出来るという甘い願望を打ち砕いていて、恐らく世界の東京オリンピックを見る目はこのロイター記事と同じなのではないか。

 

 ここでフィリピンのオリンピックとの関わり方を書いてみたいが、フィリピンのメディアでオリンピックの記事が出るのは大会が開かれている時で、しかもメダルを獲った時だけ大きな話題になるが、それが過ぎれば全く話題にならなく、フィリピン人に2020年に東京でオリンピックが開催することを聞いてもほとんどは知らない。

 

 フィリピンが初めてオリンピックに参加したのは1928年の第9回アムステルダム大会からで、この時のフィリピンはアメリカの植民地下で、フィリピン人自身の考えというより植民地経営をしていたアメリカ人が参加させたようだ。

 

 この初参加の大会では銅メダル1個をボクシング競技で獲得していて、それ以降オリンピックにおいてはボクシングはこれまでに通算銀2個、銅3個を得、フィリピンの全参加競技を通じて一番多くメダルを得る実績を残している。

 

 ボクシングの『パッキャオ』といえば、ボクシングの世界王者として、世界的に知られるフィリピン人ボクサーだが、このパッキャオ、アマチュア時代にはそれほど目立った成績は挙げられず代表にもなれなかったほどだから、フィリピンのレベルがいかに高いか分かる。

 

 余談ながら、このパッキャオ、政治に色気を出して下院議員に立候補し、一回目は落選したがその後は2期連続当選し、2016年選挙では12人しか当選しない上院議員に乗り換えて当選した。

 

 知名度は抜群ながら、政治的には何にもない頭が筋肉の人物と見られていたが、今や与党側になる党の党首になり、2022年に行われる大統領選の有力候補者として名前が挙がるほどで、たかがボクサーと馬鹿には出来なくなっている。

 

 さて、ボクシングに次ぐ競技として重量挙げがあって、前回のリオ・デ・ジャネイロ大会では女子53キロ級で銀メダルを獲得し、重量挙げでは通算銀1個、銅2個となった。

 

 この選手は空軍所属でアジアでの同級では無敵であり3回目のオリンピック出場でようやく銀メダルを得るが、この選手が話題になったのはフィリピン政府が銀メダルを獲った同選手に賞金500万ペソ(約1100万円)と家一軒を与えたことであった。

 

 この措置は前々から法律で定めてあって、詳しくは知らないが金メダルであったらその倍の賞金、豪華な家が贈られる様になっていたのではないか。

 

 こうなると、どこがアマチュアと思うが、どこでもやっていることだし、妬み易い性格の強いフィリピン人も高額な賞金や家一軒をもらうことには、特に反感を持たずに当然と思っている様だ。

 

 だいぶ前の大会だが、フィリピン人が水泳で金メダルを獲ったというニュースが流れたことがあった。しかし、フィリピンのオリンピック史上ではまだ金メダルは獲得していなくて、これはアメリカに住むフィリピン人がアメリカ国籍で出場して金メダルを得たことで、いつの間にかフィリピン人初の金メダルという話題は消えた。

 

 アメリカには300万人以上のフィリピン人が住んでいて、その大部分はアメリカ国籍を得ているから元フィリピン人、今アメリカ人がアメリカでトレーニングをしてトップ選手で出て来ることは当然あることである。

 

 そういえば、テニスの大坂なおみも日本とアメリカの二重国籍であったが、日本は二重国籍を認めていないので先頃、アメリカ国籍を放棄し、東京大会には日本人として参加することとなった。

 

 日本のテニス関係者にとってはメダルの可能性が高く歓迎しているであろうが、オリンピック後はアメリカ国籍を取得し直すのではないか。それの方がテニス活動するには万事便利であり誰も止めることは出来ないし、アメリカも歓迎してくれるであろう。

 

 最後にフィリピンのメダル獲得数を書いてみると、通算で銀2個、銅7個の計10個になり、内訳は先述のボクシングと重量挙げに続いて、陸上競技と競泳で銅2個ずつとなっている。

 

 国威発揚などとほざいている日本を含め他の大国と比べるとささやかどころか、影の薄いフィリピンのオリンピック事情だが、メダル獲得で血眼、しかもコロナ禍で開催したい狂気の日本を思うと健全であるし、多くの国はフィリピンと同じ様な状況なのではないか。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2021/02/21 (日)

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