2月10日(木曜日)、フィリピン保健省発表の新型コロナ累計感染者数は3,627,5755人、かたや日本のNHK発表の累計感染者数は3,682,769人と、2020年から2年以上も騒いでいる中で初めて日本がフィリピンを追い越すという有り難くない記録が出た。

【写真-1 フィリピンもSNSのデマ情報を信じてワクチンを拒否する者が多い】
前日の9日(水曜日)はフィリピン3,619,625人、日本3,583,097人とその差3万6千人以上日本の方は少なかったが、日本は連日10万人を超す信じられない感染者を出していたために一気にフィリピンを抜き去った。
ただし死者数で見ると、フィリピンと日本が逆転した10日はフィリピン54,783人、日本は19,942人と日本の方ははるかに死者数は少なく、この違いは医療体制の充実というより、フィリピンは罹患しても病院にかかる費用が払えなくて手遅れになる人が多いためで経済力、貧富の差と見て良い。
コロナ累計感染者数で国別の最新のデーターを見るとワースト・スリーはアメリカの7770万人(死者92万人)、インド4263万人(50万人)、ブラジル2743万人(64万人)となっていて、何れも人口の多い国だが、これらの国はコロナは怖くないと防疫措置解除に向かっていて、『クレイジー』というしかない。
アジアに目を転じるとインドを別格としてインドネシアが最多の470万人(死者14万人)、その次に日本、フィリピン、マレイシア301万人(3万人)、タイ260万人(2万2千人)、ヴェトナム248万人(3万8千人)と続く。
インドネシアはアセアン加盟10ヶ国の中でかつてはフィリピンと感染者数を競っていたが、今やインドネシア470万人対フィリピン363万人と勝負はついたが、別に嬉しくもない勝負である。
その他の加盟国で先述の国以外に多い順から並べるとミャンマー55万人(1万9千人)、シンガポール46万人(893人)、ラオス14万人(591人)、カンボジア12万人(3千人)、ブルネイ2万人(98人)と、人口や経済規模によって数字が違うことも分かるし、ちなみに新型コロナ発祥国の中国11万人(4636人)となっていて、本当かねと思うような数字である。
小生はファイザー製のワクチンを2回接種済みだが、接種したのは昨年の10月で接種が進んでいるフィリピンではかなり遅い方になるが、別にワクチンに懐疑的ではなく、単純に外出して人に接触しなければ感染することはないと思ってその通りにしていたためである。
ところがセブでコロナに罹った日本人の話を聞くと、入院して退院するまで日本円で100万円近くかかったといい、これは明らかに外国人を狙った医療の名を借りたボッタくりであり、特に日本人は金払いが良いのでフィリピンではターゲットになる。
その話を聞いて、そんな金は溝に捨てるのと同じでたまったものではないと思い、ワクチン接種を受けることにしたが、写真-1は日本のODAで埋め立てた土地の外れ、原野のような場所に多目的ホールとして造られた施設の外観で、ここがセブ市の大規模接種会場になっている。

【写真-2 右側の白い衝立のある場所で接種を受ける】
改めてこの時の接種の手順を書くが、登録手続きをし、体温を計り次に問診を受けるが、海外で入国時に入管や税関への所定の質問書に全てNoにチェックを入れるのと同じでいよいよ写真-2の接種会場へ進む。
この時期、基礎疾患のある人や中高年者は既に接種を終えていて、目立つのは20代の若者ばかりで小生のような者は珍しい方だが、中には中高年の人も見かけたから何らかの事情があって接種会場へ来たのであろう。
ワクチン接種の経験は成人になっても黄熱病、狂犬病、破傷風などいくつもの種類の経験はあり心配はしていないが、コロナのワクチン接種は流される映像ではずいぶん長い針で注射をしていてあれは痛そうだなと思ったが、実際に打たれた時は全く痛みは感じなくいつ針を刺されたのかと思った程であった。
かつては副作用といっていたが今は副反応といい、小生の場合は1回目接種の時に発熱のようなことはなかったが、打たれた左の箇所全体が痛くて左側を下に寝ることは二晩出来なかったが、その後はなんでもなく、2回目の接種の時はこういうことはなかった。
ワクチン接種すると感染しても重症化しないと、統計的にも証明されそれがワクチン接種の推奨文句になっているが、そのワクチン効果も長く続く訳ではなく、2回目を打ってから半年も過ぎれば効果は薄れ、そのためにブースター接種といって3回目の接種が行われているが、この調子では際限なく打ち続ける必要があるのかと思うが、実際3回どころか4回目を打っているイスラエルような国も出ている。
ワクチン接種は無料になっているが、ワクチン製造は私企業が行っていて例えば小生が打ったファイザー社は新型コロナワクチンだけで2021年は4.2兆円も売り上げていて、他のワクチン製造会社も兆円単位で売り上げている。
しかも3回目だ、4回目だあるいはコロナの株種によって別のワクチンが必要だとなり、コロナが爆発的感染を世界で繰り広げていれば際限なくワクチンを打たなければならず、ワクチン製造会社にとっては永遠に続く黄金の打ち出の小槌、ドル箱になる。
このためワクチン製造会社は永遠に流行が続いてくれとはあからさまには言わないだろうが、内心では思っているかも知れず、そのため新型コロナはワクチン製造会社が儲けるために仕組んだなどの、馬鹿なデマ情報を流す輩も出る始末。

【写真-3 ここは接種後の待機、観察場所】
さて、日本が累計感染者数でフィリピンを抜いたのを今年になってからの数字で辿ると、1月1日には日本170万人台に対してフィリピン280万人台と明らかに差はついていて、これが1月末には日本270万人台フィリピン350万人台で、両国とも増え方の伸びは同じ様な具合になっているが、日本の方が増加傾向は高い。
ところが日本は2月に入って1日当たり10万人の新規感染者を出すような事態になり、フィリピンは2万人くらいに減り、それがドンドン減少し1万人を切るようになるが、日本は10万人から8万人台を記録して、この伸び方の差が2月10日に逆転されることになった。
コロナ対策で後手後手で失敗し辞めざるを得なかった安倍、菅の自民党首相であったが、それを引き継いだ岸田も対策が1日10万人もの感染者を出す様では対策は上手く行っているとは思えないが、ワクチン接種効果もあってか以前のように騒がないのが違いといえば違い。
フィリピンは急激に感染者数が減ったので防疫規制を緩め、2月10日からはワクチン接種を済ましている、陰性証明書の提出などを条件に外国人観光客を受け入れることにし、初日は8000人が入国したというが、その多くは観光客ではなく帰国したフィリピン人のようで、単純にフィリピンへ観光で来たのは極少数、物好きとしかいいようがない。
タイも同じ様に観光客受け入れのために入国規制を緩めたが、世界的に海外旅行へ行こうという雰囲気は弱くあまり呼び込めていないのが実情で、フィリピンも観光産業立て直しのために必死だが、初期にコロナ制圧に成功し称賛されていたヴェトナムが流行国になったように気を緩めると大流行してしまうのが新型コロナである。
フィリピンを抜いてしまった日本など10万人近く新規患者を毎日生じても、人々はもう慣れなのか諦めたのか、街を行き交う人々は普通に生活しているように見え、こういう慣れというのは社会全体が生み出すものだが、戦時中の日本人の『一億玉砕』精神に似通うものを感じなくもない。

|