フィリピンが丸見え!最新ニュース, 地域・生活情報発信!
[]  01-01
[]  01-01
[]  01-01
フィリピンニュース
   

ニュース
政治
経済
社会/文化
ニュースの壺
インタビュー
情報
概況
歴史
政治/政府
地方行政
統計資料
歴代大統領
国民的英雄
地図
コラム
セブ島工房
英語学校奮闘記
大野のブログ
ICANまにら
KAZU
JRエクスプレス
マニラ社長
BUNBUN
ダルマ大将
志乃(Shino)
反町真理子
RYO
ダイチャング
あん
ライフ
・生活情報 
・CEBU   ・MANILA
・CLARK  ・BAGUIO
・DAVAO  ・ILOILO
・BACOLOD
・他の地域
PR
 
セブで考える元大統領ラモスの葬儀 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  セブで考える元大統領ラモスの葬儀
 

フィリピンの第12代大統領(在任1992年~1998年)であった『フィデル・ラモス』が7月31日に94歳で亡くなった。死因は新型コロナに寄るが、次の日のフィリピンの大手英字新聞はこの死亡記事がトップになるかと思ったら、ミス・インターナショナルのフィリピン代表が決まったニュースの方がトップ記事であった。

 


【写真-1 晩年のラモス 被る帽子は退役軍人の証】

 

 過去の大統領の死よりも今のミス・コンテストの結果の方が国民の関心は高いということで、ちなみにフィリピン代表に決まったのはセブからの候補者で、この間もセブ出身者がミス・ワールドだかミス・ユニヴァースの代表に選ばれたから、セブの人間は鼻が高いのではないか。

 

 フィリピンの大統領は国家元首であり、その元大統領が亡くなった時どのような葬儀が行われるのか現時点ではまだ発表されていないが、フィリピンには日本同様『State Funeral』即ち『国葬』という制度はないのではと思ったらやはりあった。

 

 何事も格式ばって儀式をするのが好きなフィリピンに『国葬』があって当たり前で、ただし11代と15代大統領であったアキノ親子の場合は国葬を断っていて、要は国家への貢献とかもっともらしいいい訳より、本人と遺族の生き方の問題であり、権利の如く易々或いは唯々諾々と国葬を受け入れる遺族というのはどうかと思う。

 

 先年亡くなった15代大統領の『ベニグノ・アキノ3世(享年61)』の場合、この時も母親と同じ大きな教会で葬儀は行われ、棺は教会から民間の運営する墓地内にあるアキノ家の墓所に運ばれたが、沿道には市民が参集して見送り、ここにはマルコスによって暗殺された父親と母親も埋葬されている。

 

 アキノ家は国葬を拒否しても軍による儀礼は行われ弔砲はあったようだが、あくまでも葬儀はアキノ家の葬儀であって、日本のように銃撃で亡くなった元首相のように周りが政治的に利用して税金を使って葬儀、『国葬』をしようなどというさもしい発想はない。

 

 アキノ母子は国葬を断っていてもアキノ(子)政権時代に飛行機事故で亡くなった盟友である現職閣僚に対してアキノは国葬を行っているから、必ずしも国葬に反対という立場ではないようだし、未亡人となった人物が後に反マルコスで副大統領に当選し、2022年大統領選にマルコスと一騎打ちをして敗れたことを考えると、国葬を受け入れるのは思想信条とは別の所にあるようだ。

 

 今分かっていることは、マルコス(子)大統領はラモスの亡くなった7月31日から8月9日までの10日間を『服喪期間』にすると宣言を出し、これにどのような強制力があるのか分からないが政府機関や学校などでは半旗を掲げても、関係のない生活に追われる普通の市民にとってはどうというものではない。

 

 ラモスは軍人出身なので恐らく棺はマニラ首都圏にある『英雄墓地』に埋葬されると思うが、この英雄墓地というのは戦争で亡くなった将兵を埋葬するための墓地になるが、軍人でなくても国家に尽くしたという理由で元大統領なども埋葬されている。

 

 この英雄墓地埋葬で物議を醸したのが独裁者の冠詞が常に付く10代大統領のマルコスで、マルコスは1986年のエドサ政変で本人は勿論、国家予算を懐に入れて贅沢三昧の一族郎党はフィリピンを追われ、米軍機でハワイに亡命し、マルコス本人はその後ハワイで亡くなった。

 

 マルコス一族がフィリピンへの帰国を許されてから、遺体はマルコスの出身地であり支配する北イロコス州の町に霊廟を造って保管し公開していたが、マルコスの意志なのか追い出されたマルコス家の意地なのか両方だと思うが、先述した『英雄墓地』への埋葬に拘っていた。

 


【写真-2 マルコス独裁政権崩壊のきっかけとなった1986年エドサ政変時のクラーメ基地立て籠もりの、左ラモス参謀次長、右エンリレ国防長官】

 

 マルコスが英雄墓地埋葬に拘ったのは、マルコスは戦時中に対日ゲリラの指揮者として武勇を挙げた英雄であり、それが政界に出る際の謳い文句でもあったが、フィリピンのゲリラ戦の研究者によると、そういった武勇の数々はアメリカ側の資料では確認されていなくて、マルコスのでっち上げではないかとの指摘もある。

 

 小生は1980年代にこの英雄墓地を訪れたことがあって、芝生の中に整然と並んだ小さな十字架の数には驚かされたが、この手の小さな十字架は戦没将兵であって大統領のような元首クラスはまた別の敷地に仰々しく埋葬されているのではと思うが見た訳ではないので何とも分からない。

 

 歴代政権は独裁者マルコスを英雄墓地に埋葬するのは躊躇い先送り、あるいは拒否していたが、2016年に彗星のように出て来て当選したダヴァオ市長のドゥテルテが大統領になって風向きは変わった。

 

 ドゥテルテは就任早々マルコスの英雄墓地埋葬を認め、即座にマルコス家は英雄墓地に遺体を運んで埋葬したが、歴代政権が拒んでいた英雄墓地埋葬にドゥテルテが認め、急いだことには諸説出ている。

 

 一説には、元々一地方の市長で資金もなかったドゥテルテが大統領選に出馬出来たのは、マルコス家とドゥテルテの間に、英雄墓地埋葬と引き換えに莫大な選挙資金が出たためといわれていて、いかにもありそうな話である。

 

 もっともドゥテルテを大統領選に出るように背中を押したのはラモスであったのは有名な話で、ラモスはマルコスに反旗を翻して追い出した立役者の一人であり、大統領在任中は英雄墓地埋葬に反対しているから、ラモス-ドゥテルテ-マルコスの関係というのは複雑怪奇でもある。

 

 マルコス家とドゥテルテ家とは直接の姻戚関係はないが、ドゥテルテの父親はマルコス時代に閣僚に起用され、ドゥテルテ本人は司法試験に合格して検事に任官したのはマルコスが戒厳令を布いていた時代と重なっていて、マルコス派の検事として腕を振るったのではないかと思うが、検事時代の仕事ぶりは伝わっていない。

 

 そして、2022年正副大統領選では独裁者の息子が大統領に、ドゥテルテの長女が副大統領に当選したが、この長女は副大統領選ではなく大統領選に出ても当選の可能性はかなり高かったが、巷間では大統領選に出たがっていたマルコス家に恩を売るために副大統領選に出ることにしたという話が流れている。

 

 長女にしてみればまだ44歳であり、副大統領の任期6年間で全国を廻って顔を売っておけば、50歳になった2028年大統領選は誰が対抗馬に出てもブッチ切りの当選は固いと見ているし、周りの考えに影響され易いマルコスの性格からいくらでも操れると踏んでいる所も多々見える。

 

 こうなると仮に長女が2028年大統領選に当選して2034年まで任期を務めるとしたら、父親の当選が2016年だから実に18年間もドゥテルテ家によるフィリピン支配となり、独裁者マルコスの20年のフィリピン支配と遜色なくなる。

 

 ドゥテルテ家長女の次は今度はマルコス家にボールが返されてマルコス一族から大統領候補が出ないとも限らず、マルコスの長男が今回の選挙に28歳で下院議員に当選して議会デビューなどと大きくメディアに取り上げられていて、12年後には40歳だから大統領選に出てもおかしくはないが、そういうことが平気で行われるのがフィリピンなのである。

 


【写真-3 11代と12代大統領の記念切手。フィリピンではこの手の記念切手発行は多く13ペソというのは国内郵便封書料金】

 

 ちなみにドゥテルテ家は長女以外は凡人の器で、それでもダヴァオ市長やダヴァオ選出下院議員になっていて、日本も同じだが能力とは関係なくフィリピンはほとんどが世襲で、世襲でない議員、首長を探すのは困難であり、正に政治を家業とする『政治屋』しかいない。

 

 この点は日本も同じで、死んだ元首相も祖父を総理に持つ三代目で、不慮の死で補選には未亡人が出る話も流れたが当人は出る気はなく、夫婦の間には世襲させる子どもはいないので最終的には一族の縁戚関係から出馬させるようだが、こうなると江戸時代の藩の殿様と変わらない。

 

 自民党の岸田は唐突に元首相を国葬にすると閣議で決定したが、閣議で何でも決められるようでは日本の民主主義は死んだも同然で、こういう『閣議決定』という手法を多用したのも死んだ元首相で、法令の根拠を調べる内閣法制局長官を自政権に都合良く任命したのもこの人物だから、そういった点では当人以上の知恵者が周りに居た。

 

 国葬について日本国内は割れていて、政府は正式には国葬といわないで『国葬儀』という訳の分からない言葉を持ち出しているが、世論調査では国葬反対の方が多いようだが、大正時代に勅令(天皇の命令)で国葬について法令化され、その対象者の中に皇族や国家に尽くした人物という他に『薩長の旧藩主』というのがあった。

 

 明治維新は薩摩藩と長州藩が主体で成し遂げ、その後の明治政権はこれら藩出身者が要職を独占するが、江戸の人間は『イモ』と馬鹿にはしても、飛ぶ鳥を落とす薩長だから国葬についても旧藩主を国葬対象者としてその一項を法令に捻じ込むことなど訳ないことであったであろう。

 

 実際、薩摩藩主の島津は2人、長州の毛利は1人国葬となっていて、また長州出身の軍人、政治家が何人も国葬にされていて、亡くなった元首相も山口県、即ち長州出身者だから、その延長線上に国葬があると考えると、いかにもお手盛り感は強い。

 

 長州藩といえば獄死した『吉田松陰』を生んだ藩で知られ、死後に松蔭神社まで作られた人物だが、亡くなった元首相を松蔭と同一視して神格化する動きは既に始まっていて、特に自民党の御用新聞である産経などかなり持ち上げている。

 

 その内、殉難に遭った国士として神社を作ろうくらいのキャンペーンを産経はやるかも知れないが、借り物の思想で相撲を取った元首相と吉田松蔭を較べること自体間違い無理な話、失礼で、逆に支持基盤であった保守層から反感が出るのではないか。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2022/08/07 (日)

Share |
 
セブ島工房 ::: フィリピンニュース・情報 Philippines Inside News
 1972年9月21日、この日は木曜日であったが第10代大統領マルコスは戒厳令布告書に署名、23日の土曜日に戒厳令は布告され、それから50年経ったが、奇しくもマルコスの息子が戒厳令布告..   | 2022-09-27
傲慢さの目立つ中国が途上国に巨大プロジェクトを売り込んで資金を貸し付け、返済が出来なくなるとプロジェクトの運営権を取り上げて事実上の植民地化を進め、それが極端に表れたの..   | 2022-09-22
 【承前】 フィリピン現代史に確実に記される1986年2月の『エドサ政変』は英語では『EDSA Revolution』と革命の語彙Revolutionの言葉は入っているものの、マルコス独裁に代わって旧支配層が..   | 2022-09-01
 第12代大統領フィデル・ラモスが7月31日に亡くなり、日本では元首相の国葬を巡って政治的に利用する意図が見え見えであったために、国民の間で反対が多数を占める事態になっている..   | 2022-08-28
 フィリピンの8月21日は数少ない国の定める休日で、今年は日曜日に重なったが日本のように休日が日曜日に重なると次の日に振り替えて連休にするなどという器用なことはしない国なの..   | 2022-08-23
フィリピンの第12代大統領(在任1992年~1998年)であった『フィデル・ラモス』が7月31日に94歳で亡くなった。死因は新型コロナに寄るが、次の日のフィリピンの大手英字新聞はこの死亡記..   | 2022-08-07
第26回参議院選挙は投票日2日前に、安倍元首相が奈良県で演説中に銃撃を受けて死亡するという事件が起きて、自民党は『弔い合戦』として張り切り、投票結果は自民党の大勝利とマスメ..   | 2022-07-24
 セブ島の東海岸に位置するセブ市から西海岸側へ抜ける道は1本しかなく、この道は戦時中には日本軍を苦しめたゲリラの本拠地が近くにあったように、500~600m以上の山岳地域の山腹..   | 2022-07-21
 第1回の参議院議員通常選挙は1947年(昭和22)年4月20日にあり、それから3年毎に選挙は行われ、今回の26回×3年で78年間、それに今年の2022年を単純に足すと2025年になり、3年先になって..   | 2022-07-16
この4月30日にセブ島とマクタン島を繋ぐ第3の橋が開通し、先日初めてこの橋をマクタンからセブに向かって車で渡ったが、最初に架かった橋、2番目に架かった橋、これから架かる4番目の..   | 2022-07-11
12345678910,,,154
    
ニュース コラム ライフ
【本気】 オンライン博奕(POG..
マルコス戒厳令布告から50年目..
胡散臭い日本のODA
【運賃】 交通機関 相次ぐ値..
【渋滞】 新車国内販売 コロ..
【鈍感】 セブ市 この時期に..
略伝 フィデル・ラモス (下..
略伝 フィデル・ラモス (上..
【貧困】 セブ・マクタン島沖..
【果実】 ダヴァオ地方のドリ..
政権が無視する『ニノイ・アキ..
【教育】 新学年度始まる 通..
【決定】 中央銀行 政策金利..
【摘発】 セブ市で韓国人グル..
セブで考える元大統領ラモスの..
【間近】 マリオットが セブ..
【歴史】 ラモス元大統領 逝..
【災害】 ルソン島山岳部で ..
【凶弾】 名門大学卒業式当日..
セブから見える元首相の殺害事..
21【問題】 貧困層への現金給付..
22セブで見る カラバオ(水牛)..
23【暴利】 金利が高額な中国の..
24セブで考える2022参議院選挙の..
25【太鼓】 マルコスを『ヨイシ..
26マクタン-セブに開通した第3..
27【賭場】 セブに出来る 巨大..
28セブ総領事館で投票をする
29【借金】 ADB 『南北通勤鉄道..
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
【凶弾】 名門大学卒業式..+ 3072
【借金】 ADB 『南北通勤..+ 2547
セブ総領事館で投票をする+ 2465
【太鼓】 マルコスを『ヨ..+ 2421
【歴史】 ラモス元大統領..+ 2148
セブで考える2022参議院選挙..+ 2120
【災害】 ルソン島山岳部..+ 2118
マクタン-セブに開通した..+ 2098
セブから見える元首相の殺..+ 2024
【賭場】 セブに出来る ..+ 1851
セブで見る カラバオ(水..+ 1812
【問題】 貧困層への現金..+ 1670
セブで考える元大統領ラモ..+ 1581
【暴利】 金利が高額な中..+ 1366
【間近】 マリオットが ..+ 1005
政権が無視する『ニノイ・..+ 955
【決定】 中央銀行 政策..+ 936
【摘発】 セブ市で韓国人..+ 835
【鈍感】 セブ市 この時..+ 803
略伝 フィデル・ラモス ..+ 723
21【果実】 ダヴァオ地方の..+ 699
22略伝 フィデル・ラモス ..+ 650
23【貧困】 セブ・マクタン..+ 543
24【教育】 新学年度始まる..+ 445
25【渋滞】 新車国内販売 ..+ 433
26【運賃】 交通機関 相次..+ 326
27胡散臭い日本のODA+ 207
28【本気】 オンライン博奕..+ 63
29マルコス戒厳令布告から50年..+ 61
30+
31+
32+
33+
34+
35+
36+
37+
38+
39+
40+
41+
42+
43+
44+
45+
46+
47+
48+
49+
50+
51+
52+
53+
54+
55+
56+
57+
58+
59+
60+
61+
62+
63+
64+
65+
66+
67+
68+
69+
70+
71+
72+
73+
74+
75+
76+
77+
78+
79+
80+
81+
82+
83+
84+
85+
86+
87+
88+
89+
90+
91+
92+
93+
94+
95+
96+
97+
98+
99+
100+
フィリピン留学情報
MAAS!留学
セブ島留学・セブ留学ならMAAS!(マーズ)留学へ
メルマガ購読(無料)

メールアドレス(半角) 
Share |
会社紹介お問い合わせお知らせディレクトリ
全体:938,572 今日:19 昨日:86
PH-INSIDEに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
E-mail: help@ph-inside.com
Copyright (C) 2002 ph-inside.com. All rights reserved.