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セブで日本軍が降伏した場所 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  セブで日本軍が降伏した場所
   

 セブ市から幹線道路を北上すること80キロほど行った所に『イリハン』という山の中の集落があり、そこには1945824日にセブ島内で戦っていた日本軍が投降、降伏文書に調印をした場所がある。


 1945815日に『玉音放送』があり、日本軍が敗戦を受け入れ降伏した日と歴史には刻まれるが、それは日本国内及び情報伝達が機能していた現地や部隊に限られ、軍隊としての組織が壊滅していた多くの将兵は、その後も山野を彷徨い戦いが終わったことを知らない者も多かった。

 このイリハンの幹線道路沿いに細いパイプ上部に白地に黒い字体で『JAPAESE SURRENDER AREA』と英文で書かれた、標識が立っていたが、既にペイントは剥げ落ち、パイプも傾きかけていて、このまま草に埋もれて行くような状態であった。【写真】

 先日この傍を車で通ったらこの標識は消え、標識のあった場所は草が繁茂して、一帯の景色に呑み込まれ、このため、セブ島の日本軍が降伏したこの地は文字通り草に埋もれて歴史から消え去ろうとしている。

 セブ島にアメリカ軍が上陸したのは1945428日で、上陸地点はセブ市南に隣接するタリサイの海岸で、迎え撃つ島内の日本軍は1万数千人の軍隊というが、その中身は貧弱な装備の兵、フィリピン戦線最大の激戦地レイテ島からの退却兵、あるいは海軍の沈められた軍艦の生存兵、そして現地召集の兵、在留邦人などの寄せ集めで勝負は決していた。

 また、当時のセブ島はフィリピンのゲリラ兵が優勢で激しく日本軍を追い込み、山に逃げ込んだ日本兵はフィリピン人の積年の恨みもあって、残党狩りのようにずいぶん血祭りに上げられている。

 先の戦争の日本の敗因など、戦後たくさん分析されているが、一番分かり易いのは『勝つことしか考えていなくて負けることを考えなかった戦争指導者』ではないか。

 明治以降の富国強兵路線で日本は軍国化へ進み日清、日露と対外戦争を行い何れも勝利し『日本軍不敗』の神話が醸成され、その神話は指導者の思い上がりに繋がり、戦争遂行が全て精神論となって815日を迎えた。

 戦争を始める時は戦争を終える、つまりどこかで和平、講和を考えるのが基本であるが、それが日本の戦争指導者にはほとんどなく、死ななくて良かった将兵を無残にも殺してしまった。

 1941128日の緒戦の真珠湾攻撃からインドシナ半島、マレイ半島、シンガポール攻略と開戦当初は破竹の勢いであった日本軍であったが、それも半年しか続かず、194265日の『ミッドウェイ海戦』の惨敗を契機に転げ落ちるように日本は敗戦へ向かった。

 ミッドウェイ敗戦から3年も消耗戦を続けた当時の指導者の頭のお粗末さに驚くが『日本軍不敗神話』が正常な判断を狂わしたのであろう。そうして出て来たのが『特攻』で、作戦と呼ぶにはおぞましく、特攻で死なされた若者には涙を禁じ得ないが、英雄視するのはとんでもない話である。

 また、戦争に付き合わされた日本人も不幸で、空襲、2度の原爆で銃後の人々は容赦なく死に至ったが、そういうボロ負け状態でも『本土決戦』を本気で軍部は考えていたから、言葉を失ってしまう。

 そうやって愚劣な歴史を批判しても何もならないが、その愚劣な歴史から学ぶことは出来、それが戦後73年間続いた戦争を起こさなかった基本になるのだろうが、その歴史に学ばない日本人が増えた。

 

 戦争に行った人は90歳台半ばで、愚劣な戦争の体験者は消えて行き、戦争というものが、国家間のゲームぐらいしか感じない者が多くなり、血を流し殺す、殺されるリアルさを感じない日本人も増えた。

 

 こういった風化する戦争体験をいかに次の世代に伝えて行くかが大切だが、北朝鮮の核ミサイル恐怖を煽って選挙をした安倍自民党には、戦争賛美しかなく、それに乗ぜられる日本国民も戦前の来た道を戻るような在り方で、それで大丈夫なのかと心配をする。

  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2018/08/19 (日)

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