 フィリピンのカトリック教会は政治に口を出す機関の筆頭になるが、アキノが進める『人口抑制法』と『離婚法』制定を巡ってアキノ側との対立を深めている。
中でも、教会の権威を背負うカトリック司教協議会(CBCP=写真はその本拠地)に属する司教からの『口撃』は多くなった。
特に、先日の独立記念日式典でのアキノの演説に対して『成果を見せよ』と辛辣な評価を流している。
例えば教会が持つラジオ番組で『いうことと実行は違う。実行の結果が見たい』と補助司教が述べたり、バギオの司教が『能力を証明せよ』、首都圏の司教が『汚職、不正撲滅は容易ではない』などと、就任1年での成果がないことに非難を繰り返した。
1年で成果が出るような国なら何も政治などいらないし、何よりもこういった発言は『天に唾する』行為で、教会側の頑迷、前近代性を雄弁に物語っている。
こういった口撃は先の2法案で劣勢に立たされている教会側の焦りでもあり、憲法にある政教分離の精神を遵守し、教会が政治に口を出さないことがフィリピンの益に叶うのではないか。
ただし、教会側が見るアキノの体制が『取り巻き政治』に陥っていることなどは傾聴すべきではあるが、アキノに限らずフィリピンは全てに渡って『取り巻き文化』で動いている。
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