 コロナ前最高裁長官の弾劾成立、失職を受けて
新最高裁長官の選考が行われていたが、8月24日、
アキノ大統領は現最高裁判事の『マリア・ローデ
ス・セレノ』を任命、25日、就任式が行われた。
女性が最高裁長官になるのはフィリピンでは初 めて。
セレノ新最高裁長官は52歳、父親はミンダナオ
島・スールー州の島出身、母親は学校の教師だっ
た普通の家庭出身。
1984年、フィリピン大法学部を卒業後の司法試
験では得点89点、上位から14番目の成績で合格、
この時のトップの成績は91.65点だった。
その後、フィリピン大で14年教鞭をとり、弁護士
としてアメリカ政府や世界銀行などのコンサルタ
ントを務める。
最高裁判事に任命されたのはアキノ政権発足後
の2010年。新長官最終選考の8人の中に残り、最高裁の長年の年功序列を破る先輩判事11人を抜
いての抜擢だった。
これについて就任後アキノ政権寄りの判決を多く出している経緯から、『アキノの操り人形』
との酷評も出ている。
また、長官の定年は70歳のため任期を全うすると18年の長さになり、問題視されている。な
お、長官任期で最長は初代のカエタノ(1901~1920)が19年、近年ではセブ出身の第20代ダ
ビデ(1998~2005)の7年がある。
前政権アロヨの時もお気に入りのコロナを長官に押し込めて、結局史上初の弾劾によって失職
した長官人事だが、現アキノ政権が同じ轍を踏まないとはいえず、とりわけ次回大統領選
(2016年)で選出される新大統領の色によっては、意趣返しもあるのでは見られ、本来、法の
番人として中立の立場を堅持する必要があるのに、フィリピンは政治的利用が甚だしいと批判
されている。

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