フィリピンの議会は上院と下院に別れ、上院の定員は25名、3年毎の選挙で改選され2013年次回 選挙は12名の枠となっている。上院は6年任期、連続で2期・12年以上は禁止されているが、間に 3年休めば出馬が出来る。選挙方式は全国区で12名記載の煩雑な方法を採用している。  この10月初旬に上院選立候補届け出が行われ、5月の投 票日までの長い選挙運動が開始されるが、次回上院選当選 予想の調査がフィリピンの民間調査機関によって行われ 発表された。
これによると当選確率の高い順に1位は前回副大統領選 に出て惨敗、毀誉褒貶の多い元ニュースキャスターのレガ ルダ(現)【写真】、フィリピンは正副大統領選に出ても 辞職は必要なく座席は安泰。
2位エスクロデ(現)、父親が下院議員で先日死亡、実 績はないのに人気だけは高く、正副大統領を狙う野心家
。3位カエタノ(現)、父親が元上院議員、姉も現上院議員で3年毎の選挙制度を上手に使い分け ている。4位エストラーダ(新)、父親が汚職で追放された大統領、兄が現上院議員、3選規定に 引っかかる兄の身代わりの現下院議員。
5位エンリレ(新)、父親が現上院議長だが高齢で引退、その後釜を継ぐ現下院議員。6位トリリ
ャネス(現)、アロヨ政権時代にクーデターを仕掛けて逮捕された海軍大尉で獄中立候補して当選
。フィリピン人はこういったドラマ性のある人物を好む。
7位ホナサン(現)、マルコス放逐のエドサ政変の時に名を挙げ、その勢いで当選した元陸軍中
佐。8位ピメンテル(現)、父親は著名な反マルコスの闘志で元上院議員。その後釜を狙った前回
選挙では次点だったが選挙不正があって最下位当選者と入れ替わる。
9位ズビリ(元)、前回の最下位当選者だったが、辞職表明してピメンテルと入れ替わる。辞職
表明は次回選挙の同情票を狙った作戦ともいわれる。10位アンガラ(新)、父親は著名な弁護士
で現上院議員、その引退を受けて出馬の現下院議員。
11位ビラール(新)、夫が前回大統領選で惨敗した不動産王の現上院議員。3年休みの引き継ぎ
ルールを適用する現下院議員。12位ビナイ、夫は元マカティ市長で番狂わせで手に入れた現副大
統領で次回大統領選に野望を持つ。息子は現マカティ市長、政治を牛耳る新興一族だがフィリピン
では当たり前。
13位ゴードン(元)、前回大統領選で泡沫候補並みの得票で落選。元オロンガポ市長でそちら
方面では絶大な支持があり、現フィリピン赤十字社社長。14位マグサイサイ(元)、父親が現職
で事故死した大統領。引退したかと見られたがまた色気を見せている。
15位マドリガル(元)、前回大統領選に出て泡沫候補並みの得票で落選。大富豪の出だから趣
味は政治と選挙もいわれている女性。この他、現司法長官のデ・リマ、前々回大統領選でアロヨを
追い詰めたポーの娘などが名を連ねていて、出馬が噂された現セブ州知事のガルシアは低位に沈み
、惨敗を避けるために出馬はないと見られている。
この調査は選挙前に毎回行われ、数%の誤差はあり、今後の選挙運動結果で当選圏内者は変わる
がこの傾向に沿って選挙結果が出ている。
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