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民間の調査機関(パルス・エイシア)が4月20日から22日にかけて全国の成人1800人を対象に、上院選立候補者への支持率調査を行い、この程結果が公表された。
それによると改選数12人の内、アキノ陣営の与党連合側が当選圏内に9人と優位を保っているのは変わらず、現副大統領や元大統領などが選挙用に急造した野党連合は、3人しか当選圏内に入らずとジリジリと与党側から押されているのが明らかになった。
ただし、フィリピンの上院選候補者は与野党から同時に推薦を受けている者もあり、また当選後に所属を寝返るのも頻繁なため、一概に与党、野党側候補と区別できない事情も加味して判断する必要もある。
当選圏内1位から7位までは与党側が独占、毎回の調査で上位に入る候補者の顔ぶれは変わらず。今回も1位は人気は高いがご都合で右に行ったり左に行ったりするレガルダ(現=女性)、2位次期大統領選への野心を持つエスクデロ(現)。
3位大統領選でアロヨを追い詰め、亡くなった大物映画俳優の娘(養女)が売り物のポー(新=女性)【写真】、4位世襲一族のカエタノ(現)、5位夫の身代わりのビリヤール(新=女性)、前回大統領選では夫がアキノと争ったが、アキノ側に入る不思議さ。当選さえすればどこでも良いのだろう。
6位元海軍大尉、アロヨにクーデターを仕掛けてそれだけで有名になったトリリャネス(現)、7位アキノ(新)、アキノ大統領のいとこでアキノ威光だけに頼る候補者。
次にようやく野党側が顔を出し、8位エヘルヒト(野新)、父親が元大統領のエストラーダ、兄が上院議員で兄の身代わり候補。こうして新興の政治王朝は出来上がる。
9位ビナイ(野新=女性)次回大統領選に野心を持つ現副大統領の娘。それだけの売り物で当選可能だからまともな選挙には見えない象徴候補。10位ピメンテル(与現)これも父親の世襲。
11位アンガラ(与新)これも父親の世襲。12位ズビリ(野前)、一時は劣勢だったが盛り返している。
調査会社によると改選枠は12でも統計学上15、16位までは当選の可能性があるらしく、13位マルコス追放時の陸軍中佐、その手柄話の賞味期限が切れつつあるホナサン(野現)、14位エンリレ(野新)、老害甚だしかった上院議長の父親の世襲。
15位ホンティベロス(与新)、返り咲きを狙う16位マグサイサイ(与元)元大統領の息子にもチャンスはあるとのこと。投票日まであと1週間(5月13日)、金と実弾が国内に飛び交うのはまだしばらく続く。
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