セブはオスメニャとガルシアの両家が政治を壟断していたが、2013年選挙で両家に選挙民の鉄槌が下された。
セブ州知事はガルシア家が18年間占め、今回連続4選禁止規定のために下院議員の弟と入れ替わったグエンドリン・ガルシア知事は、辛うじて当選したが、弟は知事選に大差を付けられてアキノ与党に属する2度目の立候補者に敗れた。
また、グエンドリンに9年前に知事の座を譲って下院議員に回っていた80歳を超えるガルシア家の長老、パブロも3選ならず、対立候補に敗れた。
こういった選挙民の変化はセブ市市長選にも表れ、1988年から3期ずつ、都合6期を務めたトマス・オスメニャが対立候補の現職マイク・ラマに敗れた。【写真は選挙期間中に地元紙に乗った選挙広告。左下がトマス・オスメニャ】
トマスは3期務めては子飼いの者に1期市長をやらせて、3年後に市長に復帰する手法を採っていて、現在はセブの下院議員。
予定通り立候補したが、1期のみと見られていたラマが3年の内に力を付けて再選を目指して出馬、僅差ながら劇的に勝利した。
またアキノ与党の有力メンバーだったセブの政治屋として著名なグジャスがセブ市の隣のタリサイ市長選に出馬して30数年の政治歴で初めての落選を味わされた。
ガルシアやトマスも同様に初めての落選経験で、こういった政治屋はフィリピンでは『ポリテコ』といって影では蔑まれているが、封建時代の領主同様の選挙民意識はまだ強く、なかなか崩せない砦でもあった。
昔の威光に動じない若い選挙民が増えたための番狂わせと見られている。
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