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現アキノ政権は『汚職撲滅』を最大スローガンに掲げて、アロヨ(現在、略奪罪、汚職罪で起訴、拘置中)【写真】前政権のドブ浚いを行っているが、アキノ大統領はアロヨ政権下の9年間で1兆ペソを超える額が、本来の使途とは異なった項目に流用され、その一部は関係した議員、政府高官に流れていることを明らかにし強い怒りを表明した。
中でも、上、下院議員に毎年ばら撒かれるいわゆるお手盛りの『優先開発補助金=PDAF』が、架空のNGO団体に流れ議員の懐に入っていた『100億ペソ詐取』事件では、この核となった女性実業家を逮捕、取り調べにより補助金を流用した上院議員3人、元下院議員5人と関係した政府役人など38人が起訴勧告対象までこぎつけている。
また、10月3日、司法省と捜査を進めた国家捜査局(NBI)は新たに2009年、9億ペソの流用が確認されたとして、関係者を行政監察院に略奪、汚職罪で起訴するように勧告をした。
この流用事件はアロヨ前大統領とエルミタ元官房長官、アンダヤ元予算管理庁長官、パガンダマン元農地改革長官が中心になって、台風被災地支援の名目で他の財源を流用。
この手口だが、さきの100億ペソ詐取事件の主犯が筋書きを描いて実行。やはり12の架空のNGOをでっち上げ、被災地市町の要請書類などを捏造、その後、アロヨが大統領令を出して合法化。
流用された後、それらが支出されたように書類などを捏造していた。
この流用に関係した閣僚のパガンダマン元農地改革長官には7500万ペソ、農地改革省元高官2人に計2000万ペソ、政治家の代理人と称する人物に2億4278万ペソが、女性実業家から渡っているのが調べで判明している。
なお、今回起訴勧告対象になったアロヨと他の閣僚の懐に入った額は調査中。
こういった事態を受けて、アキノ大統領は汚職の温床となっているPDAFの廃止を先に決め、議会も同調し今年度予算はPDAF予算を除外する形で組まれている。
しかし、PDAFと似たような裁量的予算が従前どおり残されていて、国民の間ではまた同じようなことが起きるのではないかと指摘され、各地で『全廃』するように抗議活動が続いている。
また、PDAFの悪弊を追及するアキノ政権がアロヨの任命した最高裁長官を追い落とすために、弾劾成立に賛成した上院議員に対して5000万ペソのPDAF予算をばら撒いた事実が、暴露されて賛成派議員に対する『買収』ではないかと騒がれている。
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