世界各国にある空港の評価を行っている民間の評価サイトで、2011年から3年連続でワースト・ランク1位に入っていたマニラ国際空港が、2014年には同4位となり、2015年度の評価ではワースト10から外れ、改善の効果が現れた。
特に評判の悪かった第1ターミナルは1981年竣工と言う老朽化も手伝い、トイレの汚さ、空調の不備など空港職員の汚職行為などがやり玉に挙がっていた。
この問題に対して空港運営公団は13億ペソ(約36億円)の巨費を投じて改修に努めているが、改修後の同ターミナルでは施工不良による雨漏りの発生、第2ターミナルでの廊下の陥没とそういった小手先だけで問題を解決する姿勢も辛い評価となっている。
同様に敷地内にバラバラにある4つのターミナル間の相互の移動の不便さや、ターミナル間の短い距離なのに法外な料金を取るタクシーの存在など相変わらず問題点は指摘され、アジア地区に限るとワースト8になっている。
この評価は清潔さ、サービスの質、入居飲食店の内容や営業時間、職員の対応、空港泊まりの快適さなどの項目を5段階評価で数値化したもので、2015年度の世界ワースト空港3位までにはナイジェリアのポートハーヨート空港、サウジアラビアのキング・アブドゥルアズィーズ空港、ネパールのトリブバン空港が入っている。
ハードの面で改善の見られるマニラ国際空港だが、空港職員の質の悪さは相変わらずで、先日には乗客手荷物のX線検査時に、乗客の手荷物内に銃弾を故意に入れて乗客を恐喝して金を騙し取る事件が発覚し、職員25人が停職処分を受ける騒ぎもあった。
また、過密化する空港管制業務から、定時に利用機が発着できない事態が慢性化し、この問題に対して何ら問題解決への努力が見られず、優秀な管制官が給与の良い海外に流出していることが深刻な問題となっていて管制官の質にも不安が持たれている。
こういった中、11月に行われるAPEC会合で、マニラ国際空港に離発着する航空便がAPEC参加者に便宜を図るために定期民間機を多数運休させる強制措置が取られ、乗客本意でないフィリピン航空行政の姿勢も批判の的となっている。
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