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選挙は勢い『風』次第でどう転んで行くか分からない代物だが、2016年5月予定の次期大統領選に、ダヴァオ市長・ドゥテルテが立候補を表明した直後に行われた民間調査でドゥテルテが並みいる有力候補を抜いて支持率で1位に躍り出た。

この調査によると、それまでドゥテルテは4位の支持率だったが、今回は38%の支持を集め、共に21%だったポー上院議員、ビナイ副大統領を追い抜き、与党から擁立されているロハス前内務自治長官の15%をも追い抜いた。
ポーは立候補資格で中央選管小委員会から『失格』を宣言され、異議申し立て、最高裁への提訴の道は残されているが、この問題から半年前には42%の高支持率を集めた状況から低落に歯止めがかからないことを示した。
また、当初は独走状態だったビナイも30%後半の支持率を維持していたのに、相次ぐ汚職疑惑が影響して支持率は著しく低下、上昇する見込みは薄いと見られている。
同じく、一時の不人気状態から徐々に支持率を上げたロハスもドゥテルテの躍進の影響を受けて支持率を落とした。
フィリピンの大統領選は地域競争の面があって、ルソン島・タガログ族を中心とする候補者が大統領を長年制していたが、南部フィリピン、とりわけヴィサヤ、ミンダナオ地方から大統領をの悲願に応える形でドゥテルテが勢いを増してきた。
これを裏付けるようにドゥテルテの地域別支持率はミンダナオ島が50%、各地域からの住民が混ざる首都圏では48%、ヴィサヤ地方で48%と高支持率を集め、他の候補が20%台しか集められない中、際立った数値となっている。
次に社会階層別はドゥテルテは全階層でトップに立っている。中でも、従来ドゥテルテのような『強面』には嫌悪感が強いのではとされる中間層以上で62%を得ているのが注目されている。
他の候補はビナイ16%、ポー13%、ロハス6%と中間層以上ではこれら候補者の支持が離れているのが顕著になった。
また、貧困層ではドゥテルは37%を得、ポーは22%だった。最貧困層でも32%を得、この層に強いとされるビナイは27%と沈んでいる。
ドゥテルテは長年ダヴァオ市長職を務め市政を牛耳るが、フィリピンの病巣とも言える治安面で一定程度の成果を上げた手腕に期待する層も多い。
しかしながら『独裁者マルコスの再来』と忌避する向きもあり、また現在70歳という年齢のために6年間の大統領職が勤まるかの指摘も多い。
写真は娘で現在37歳。この娘はドゥテルテが連続して3期以上ダヴァオ市長を務められない規定のため、2010年から2013年に市長に身代わり立候補した人物で、ドゥテルテが大統領選に立候補したためにダヴァオ市長選に代理立候補する。
フィリピンではこの手合いの政治屋ばかりで、ビナイ一族ではないが、次はこの娘を上院選に出す企みも噂として流れている。
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