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どこの国でも新政権の発足した時は昂揚感があり、変革への期待もあって高い支持を集める。
政権発足直後と100日目を一つの目途として政権を評価する手法があり、フィリピンの民間調査機関の一つ『SWS』によると、9月24日~27日にかけて成人1200人を対象に調査を行い、83%が大統領を信頼できると回答した。
この数字は同調査機関が発足直後に行った調査では84%の高率を記録していて、違法薬物容疑者抹殺を政権の第一目標とし、また相次ぐ暴言から国際社会から批判の強いドゥテルテへの支持がフィリピンでは衰えていない事を指し示した。
年齢別では若い年齢ほど高く、年齢層が上がるに連れて減少する傾向を見せ、55歳以上の層で支持が再び上昇している。
最も高かった年齢層は18歳~24歳の89%で、これはSNSなどインターネットを駆使する政権の戦略が効いていると見られている。
25歳~34歳は88%、35歳~44歳は83%となり、中高年層に当る45歳~54歳が年齢層で最も低い78%、55歳以上では81%となっている。
学歴別では学歴が高いほど信任率が上がり、大卒が89%、大学中退87%、高校中退77%、小学校中退78%となっている。
また、社会階層別では支持基盤であった最貧困層が前回より4ポイント下げる80%となり、これは抹殺される違法薬物容疑者は貧困層出身者が多数に上り、その反感からと見られ、貧困層84%、中間層以上82%と続いた。
地域別ではドゥテルテの地盤ミンダナオ地方が一番高く、1ポイント増の94%を記録し、ヴィサヤ地域でも3ポイント増の82%と高い数字を出しているが、地域が北上するに連れて信任率が下がる傾向を見せ、マニラ首都圏では2ポイント減の83%、首都圏を除くルソン地方では3ポイント減の78%となった。
なお、男女別では男性が3ポイント減の84%、女性が1ポイント増の82%と対照的な結果となっている。
今回の100日評価では高い信任率を得たドゥテルテだが、前大統領のアキノの場合、当選直後の信任率が88%と歴代でも高い信任率を得たが、徐々に信任率は下がり、退任直前の2016年3月には65%まで下落した。
これは公約を実現できなかったなどの理由もあるが、フィリピン人特有の『初物好き』の『飽きっぽい』気質と関係があるのではとの分析もある。
一方、ドゥテルテの支持者の元大統領ラモスは100日間のドゥテルテ政権は成功ではないと評価する見解を出していて、話題性の高い違法薬物問題に集中し、アキノ前政権の残した遺産を食い潰すような政権運営方法に冷や水を浴びせた。
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