11月5日にルソン島を横断した台風『ロリー(19号)』はビコール地方に大きな被害をもたらし、特に一島一州のカタンドアネス州(人口30万人弱)は最初に上陸した場所で、強烈な風によって屋根が吹き飛ばされる家屋が続出した。

ロリーによる人的被害は28人で、内ビコール地方が23人と最多となり、行方不明者を加えると全体で死者は30人を超える模様。
この少し前には台風『キンタ(18号)』が同地方を襲っていて、この連続台風によってビコール地方を中心とするインフラや農業の被害額は114億ペソに達した。
特に米作農家の被害は大きく、8万人以上が被災し、樅米16万5千トンが被害に遭い、その他の主要農産物であるトウモロコシ、バナナなどにも被害が拡大している。
インフラ被害の中で、電力関係ではビコール地方を中心に電柱がなぎ倒されるなどして、停電状態が続き5日現在の復旧は半分に留まっていて約100万世帯は停電が続いている。
このため、政府は『国家災害事態宣言』を発令する見込みで、これによって政府の緊急対応基金から100億ペソを超える資金が使えるようになり、被害地域の各自治体への資金支援が可能になり、迅速な発令が求められている。

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