 PPPとはフィリピン政府が民間企業の資金力と実行力を当てにし、政府が噛んだ大規模インフラプロジェクトをいうが、このほど2012年度プロジェクトの見通しが明らかにされた。
これによるとマニラ首都圏上水道整備(250億ペソ)、北ルソン高速道路・南ルソン高速道路連結道路(202億ペソ)、マニラ近郊カビテ・ラグナ高速道路建設(107億ペソ)、マニラ軽量鉄道(LRT)2号線路線延伸(113億ペソ)などの巨額プロジェクトが目白押し。
これらは公開入札によって決められるが、前年度に10案件を正式発表していながら、実際に落札されたのは1件、総事業費20億ペソ弱の南ルソン高速道路への連結道路のみだった。
このような前年の実績から、明らかにされたプロジェクトがすんなりと落札に至るかどうか疑問視されている。
これに対して関係部局は楽観的な見通しを示しているが、昨年ミンダナオ島で開発を進める日系企業が反政府組織に焼き討ちされた事件もあって、フィリピンが投資先として不安な国の印象を与え、また、進めていたプロジェクトが政権のさじ加減で引っくり返り、裁判沙汰になるケースもあったりして予断は許さない。
なお、PPPのプロジェクト全体に関してはルソン、首都圏中心に大規模投資が行われ、他の地方には全く恩恵がない問題もある。(写真は延伸予定のマニラ軽量鉄道)

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