 マニラに本部を置くADBの第45回年次総会が、5月初旬にマニラで開催された。
この総会でADBは開発基金(ADF)を増額する旨を発表、その額は低所得国向けに124億ドル(約1兆円)となっている(写真右はADBが資金を出している『電動トライシクル』=フィリピンの実態を知らないプロジェクトの一つになる)。
ADBの加盟国は現在67カ国、内アジア・太平洋域48カ国、域外19カ国となっていて、歴代の総裁は日本の大蔵省、財務省出身者が天下っていて、アメリカが支配する世界銀行と同じ構図のアジア版銀行になる。
本部のあるマニラで年次総会が開催されたのは7年ぶりで、次回は2013年5月、インド・ニューデリーで開催される予定。
マニラ総会では過去最大の5000人以上が参加、首都圏のホテルは満員、参加者への便宜を図るために大幅な交通規制と最大規模の警備が行われたが滞りなく終了した。ただし、左派系の団体からは評価が辛く、会期中波状的なデモに見舞われた。
この総会では『フィリピンの汚職撲滅が急務』と指摘され、それに対してアキノ大統領が前アロヨ政権に転嫁する相変わらずの実効性のない演説をし、汚職撲滅が口先だけの印象を世界に知らしめた。
また、会期中に市内道路に沿う貧困地域を塀で囲って見えなくさせて、海外からの参加者に見えないようにするなど小手先を使うフィリピン政府のあり方は問題となった。
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