外国からの直接投資額2012年度統計版が国連貿易開発会議(UNCTAD)から発表され、フィリピンは前年比54%増、27億9700万ドルとなった。
しかし、この増加も他のアセアン諸国の外国投資額は好調なため、11ヶ国中6位という結果となった。
アセアン域内での国別では1位シンガポール約567億ドル、2位インドネシア約199億ドル、3位マレイシア約100億ドル。
4位タイ約86億ドル、5位ヴェトナム約84億ドル、その次にフィリピンが入り、国内経済が右肩上がりの数字を示す割には投資額は増えていない結果となった。
フィリピンに続くのは『民主化』による開放政策を取っているミャンマーが22億4300万ドルとなり、ミャンマーへの投資ブームがフィリピンを追い越す情勢となった。
また、直接投資のフィリピンの累積残高は前年比15%増の310億2700万ドルとなり、残高も域内11ヵ国中6位を占めたが、2000年からの伸び率は域内では最低の結果となった。
このようなフィリピンへの投資不調の原因は、進まないインフラ整備、朝令暮改のビジネス環境、また高い電気代と労働賃金などが要因の一つと指摘されている。
こういった指摘に対してフィリピン中央銀行筋は『主要な投資産業は製造業、不動産、金融となり、従来の日本やアメリカなどの欧米系から他のアセアン諸国からの投資が増える』と、既に懸念されている『バブル経済』の容認、楽観的な見方を示した。
なお、世界経済全体の2012年外国直接投資総額は約1兆3510億ドルとなり、前年比約3000億ドルの減少を示し、収縮する世界経済の中ではアセアン諸国の増加、健闘が目立つ結果となった。
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