元大統領からマニラ市長に居直ったエストラダが思いつきでぶち上げ、2月から実施されていた『大型トラックのマニラ市内日中走行規制』が、9月13日より解除された。
この規制は、土日を除く午前5時から午前10時と午後5時から午後9時の間、総重量4.5トン以上の大型車両の市内通行を禁止したものだが、この規制によってフィリピンの海上貨物の80%以上を扱うマニラ港と国際コンテナターミナルは大混乱を起こした。
同時に各国から首都圏を中心に進出している製造業や貿易業、また港を利用する海運会社などが被った損失は規制期間中に50億ドル以上に達するのではと見られている。
今回の規制は慢性的な市内の交通渋滞解消、大気汚染の減少とその趣旨は最もなものだが、対案や計画性がなく7ヶ月間も混乱は続き、解除するといいながら元の木阿弥状態になったのは確か。
また、今回解除したと発表されたが、エストラダは『市内の渋滞が悪化、あるいは貨物滞留などが解決されなければ再び規制に踏み切る』と、フィリピンの構造的な交通政策のお粗末さを棚に上げて政府に意趣返しするような益にならない発言に固執。
一方、今回のコンテナ滞留問題では港を管轄するフィリピン港湾庁(PPA)と関税局は泥縄的に滞留、放置されたコンテナに対して10月1日から次の様な措置を取ると発表。
これによると関税局の許可が出て90日以上経っても引き取らないと1基につき1日5000ペソの罰金を科すとしているが、この措置がどれだけ問題解決になるのかやって見なければ誰も分からない状態であるのは確か。
こういったコンテナ滞留問題はマニラ港に一極集中しているのも原因で、元アメリカ海軍基地のスービック港【写真】や首都圏南部にあるバタンガス港など余裕のある港はそろっているが、両港とも閑古鳥の鳴く状態で、それらを管轄するPPAの不手際が目立ち、こちらにもメスを入れる必要があると指摘されている。
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