
会計検査院(Commission on Audit’s =COA)が公表した2015年度全国自治体財務監査年次報告書によると、全部で81ある州の中で最も裕福な州はセブ州で、その純資産額は285億ペソ(約655億円)であった。
2位はルソン島リサール州の81億ペソ、ネグロス島西ネグロス州56億ペソ、ルソン島ラグナ州50億ペソ、ネグロス島東ネグロス州46億ペソと、かつて『飢餓の島』と言われたネグロス島両州が意外と健全な財務体質である事が数字の上で明らかになった。
次いでルソン島パンガシナン州47億ペソ、同島カヴィテ州45億ペソ、同島バタンガス州45億ペソ、レイテ島レイテ州44億ペソ、ルソン島パンパンガ州42億ペソと続き、首都圏周辺の州が裕福である傾向を示した。
一方、都市別では、セブ市が4位に入り、その資産額は324億ペソと金額ではセブ州を凌ぐが、負債額が全国一となっていて、その額は242億ペソに達している。
この負債の大部分は日本の円借款で造成された南部埋め立て地(South Road Properties=SRP)であり、低利で長期据え置き、長期返済となっているために財務上では完済するまで負債として計上され続ける。
この負債返済のために、セブ市はSRPの土地を最大手小売業のシューマートや大手不動産に土地を切り売りしていて、日本のODA=税金がフィリピンの大企業を利していると批判されている。
しかしながら、海外における税金の使われ方など日本人は無関心で、それに乗じて日本のODAの不審なプロジェクトは増える一方である。
この都市別ランクではマニラ首都圏を構成する都市がやはり財務状態が裕福な傾向を示し、1位首都圏ケソン市の516億ペソ、2位マカティ市495億ペソ、3位マニラ市331億ペソと続き、4位にセブ市が入って5位首都圏パシッグ市が249億ペソと続く。
【写真は全国一の借金を抱えるセブ市役所庁舎】
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