2021年12月16日にセブ島中央から南部を直撃した台風22号『オデット』から一ヶ月が経過したが、電気、水道といった生活インフラの復旧は遅れている。

セブ島の配電会社によると契約した約47万世帯の内、約16万世帯がまだ復旧していなくて、3世帯に1世帯が一ヶ月以上も電気のない生活を強いられている。
中でも山間部やセブ島西岸は遅れていて、配電会社によると1月末までに100%の復旧を目指しているとしているが、人員や機材の不足から2月にずれ込むのは必至の模様。
また、セブ都市圏に配水している水道公社によると、現在までに80%の世帯に配水済みと発表している。
電気と違って地中に埋めた水道管に台風の影響があるのかと、長期間の断水を余儀なくされている利用者から批判が起きていて、これに対して水道公社は次のように弁解をしている。
セブの水道は150本近くの井戸から汲み上げているが、その内非常用発電装置があって停電に対応出来るのは3分の1の50本だけで、残りは停電になったらお手上げとなる。
しかも非常用電源のエンジン発電機も常日頃手入れをしているとは限らず、動かせないのもあり、また、燃料も充分に用意出来ていなくて、こういった当局の非常時対応の杜撰さが長期間の水道断水を招いたようだ。
こういった批判に対して、セブ市長は電柱の地中化や避難所の整備などを進めると公言しているが、こういった考えは以前からあって、5月に行われる選挙目当ての発言ではないかとこき下ろされている。
『オデット』では2013年の台風30号『ヨランダ』以来の被害を受けたが、ヨランダの時はセブ島北部に集中した被害で、今回はセブ島中央部から南部にかけて被害は広がり、30年以上も大きな台風に襲われなかったセブ都市圏の防災意識に油断があったとの指摘も強い。
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