 既報のようにマニラ南方のタアル湖で発生した『養殖魚大量死』は、廃棄処理した魚がその後増え2,095トン、被害額2億ペソ(約3億6,000万円)に上がった。
この原因は天候不順がもたらしたと言い訳がなされているが、過密ないけす設置が招いた人災と指摘されている。
養殖魚産業を管理する官庁に農務省漁業水産資源局(BFAR)があり、BFARのいけす養殖の規定では500平方メートル当たり1万匹となっているが、タアル湖では100平方メートルで1万5千匹も養殖していて、規定の5倍以上の過密な養殖を行っていた。
このため、天候不順で湖底にある酸素量の少ない水が上昇し、酸欠状態になり養殖魚の大量死が起こった。
また、いけすの総数も地域に属する海面は管理されているはずだったが、実際は野放し状態でこの無法ぶりが今回の大量死を招いたとされる。
マニラ国際空港に着陸する際に、近くにあるラグナ湖の上をかすめるがこの湖面も養殖いけすでびっしり埋まっていて、今回のタアル湖の大量死の原因となった過剰ないけす設置状態が良く分かる。
今回の大量死に対して議会で聴聞会が開かれたが、内容は全部綺麗ごとの羅列であり、真の解決策は自国民の『無法精神』改善しかなく、見通しは暗い。
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