セブはフィリピンの中では比較的治安の良い都市といわれているが、3月末と4月5日と続けて邦人が殺される事件が起きた。
今回のようにセブで邦人が続けて殺害されるのは珍しく、30年以上セブに住む日本人でも聞いたことがないという。
3月末の事件は、国際空港があり、セブのリゾート地として有名なマクタン島で起き、日本人妻が泥酔したフィリピン人夫に刺殺された非常に珍しいケースだった。
事件は夫の逮捕、残された9カ月になる娘の養育先などが決定して取りあえず収まった。
一方、4月5日の事件はセブ島北西岸、セブ市から車で2時間行程にあるサン・レミヒオ町で起き、被害者は57歳(本籍・千葉県)の男性だった。
この男性は3年前からこの町に住んでいるが、20歳になるフィリピン人女性と同居、職業は不詳で『トレジャー・ハンター=山下奉文大将が残したといわれる財宝を発掘する人間』と地元では見られていた。
事件は深夜1時40分頃、顔を隠した2人組が戸を蹴破って住居に侵入、2階で寝ていた被害者に向けて3発の銃弾を浴びせ逃走。うち1人を警察が近くの闘鶏場で発見、逮捕したがもう1人は逃走中。
捕まった犯人は2月まで被害者宅で働いていたことがあり、働きぶりを巡って被害者と諍いがあって解雇され、それを恨んでの犯行と見られている。
また、被害者は日本に帰ると称して、近くの町に住む日本人に借金の申し入れをしていた事実もあり、金銭的困窮も事件の原因になっているのではとも見られている。 なお、在比大使館は被害者の日本側関係者に連絡を取っているが、いまだ連絡はつかず、この面でも苦慮する事件となっている。
(写真は事件のあったサン・レミヒオ町の役場)

|