 8月23日午前、フィリピン警察当局はマニラ首都圏及び近郊にある振り込め詐欺団の隠れ家20カ所を捜索し、357人を逮捕した。
これは今年4月、ダバオで78人が摘発された振り込め詐欺団をはるかに上回り、フィリピン国内で同種の犯罪が蔓延している一角と見られている。
詐欺団の犯行手口は共通していて、警察関係者を装い中国本土の老齢者に対して『口座がマネーロンダリングに使われているので、安全な指定の口座に振り込むように』と指示して、現金を巻き上げていた。
捜査当局は被害者数、それぞれの被害金額などは公表していないが、調べではこの手口で一味は少なくても1日当たり2000万ペソ(約3700万円)を騙し取り、総額では巨額になる模様。
今回の摘発は中国の捜査当局から情報があったためで、一味は2007年から中国本土で振り込め詐欺を始め、中国当局の追及によって2010年からフィリピンに拠点を移している。
逮捕された357人はルソン地方ラグナ州にある国家警察の収容施設で取り調べを受けているが大半は黙秘、その内中国系フィリピン人の2人はマニラで取り調べを受けている。
このようなサイバー犯罪者は逮捕されて本国に強制送還されるが、その本国でどのような処罰を受けているのかは不明。
フィリピン国内での犯罪のために国内法で処罰できるように法を整備する必要があるとの声が法曹関係者にあり、また、在留邦人動向に詳しい人によると『日本人の振り込め詐欺も、フィリピンを根城にして犯行を重ねている』との指摘もある。
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