 世界三大映画祭の一つ、『ヴェネツィア国際映画祭』は今年69回目を迎え、各賞の受賞者、作品が発表され、この中でフィリピンから出品した作品『Thy Womb (Sinapupunan)』が3賞を受章した。
他の映画祭と同様にヴェネツィア国際映画祭にはコンペティション、アウト・オブ・コンペティション、Orizzonti、ヴェネツィア・ディズ、批評家週間、その他の多くの部門があり、その部門がまた各賞に別れその数、数十に上がり、出席者も何がどうなっているのか分からない映画祭だといわれている。
その中で、一般的に知られるのはコンペティション部門の最高賞『金獅子』で、今年は韓国作品『ピエタ』が選ばれ、かつてこの部門で受賞した北野武の今回の作品は前評判だけ良くて空振りの無冠だった。
今回ロビー活動の弱いフィリピン作品が受賞したことはフィリピン映画の優れた資質を示しているとみて良い。
3賞はコンペティション部門のLa Navicella-Venezia Cinema Award、
P. Nazareno Taddei賞スペシャル・メンション、インディペンデント批評家賞(Independent
Critics Award Bisato d'Oro)最優秀女優賞で、過去に受賞したフィリピン作品と比べても上位に位置する。
監督はブリランテ・メンドーサ、主演は国民的大女優といわれるノラ・オノール。ノラ・オノールはマルコス時代からの俳優、歌手で、エドサ政変時には反マルコスを表明して国民の流れを作ったといわれる伝説を持つ人物で今年59歳になる。
|