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10月15日(火)午前8時12分頃、セブ島南隣にあるボホール島内陸部カルメン町の深さ33キロ付近で地震が発生。震度7を記録。
この震度は日本の震度ではなくアメリカなどが採用する地震震度で、12段階ある中の7になり、日本式では震度5に該当。
このため観光地で有名なチョコ―レート・ヒルの展望台や景観を作っていた山が崩落、また島内の20以上の古い教会や家屋多数が被害を受けた。
同時にセブ島内でもセブ市を中心に地震によって被害を受け、今回の地震によって死者は確認されただけでもヴィサヤ地区で90数人に上っている。
この日はイスラム教の行事にちなんで、フィリピンは特別休日になっていて、学校は休みだったために学校内での混乱による集団被害を受けることは避けられ、また早朝だったために人の集まるモールも開店前だったために、被害を受けることはなかった。
なお、市内のモールではアヤラが天井崩落、他のモールでも外壁破損など多数被害を受け、市内で営業する他の店舗も含めてこの日は多くが営業を停止した。
日系企業が多く操業するMEPZも地震発生後、従業員を帰らせる企業も続出。このためセブ市内の幹線道路は渋滞が発生。
今回の地震で特徴的なのはビルの外装が崩落して、下に停まっていた車を直撃、押し潰した例が多く、従来から不適切な海砂を材料に使う施工の不備がこういった被害につながった。
また、古い時代に建てられたビルも市内ではいくつ潰れ、耐震に備えのないフィリピンの建築の欠陥が露わになった。
同時に、地震避難時の訓練がほとんどされず、認知もされないので慌てて外へ飛び出す人が多く、建物からの落下物によって負傷した人も多かった。
今回の地震を受けて、約220万人以上が被災しセブ州とボホール州には『非常事態宣言』が発令、セブ市内の学校は休校、企業も被害状況によって休むなど、セブ市内はライフ・ラインが確保されているためにいつになく静か。
しかし、余震が300回以上を数え、市民の間ではまだ、恐怖感は収まっていない。この余震も一夜明けて収まった。
ボホール島においては道路に断層ができたり、土砂崩れや停電もあり、復旧活動に影響が出ている。写真はセブを象徴する450年の歴史を持つ『サント・ニーニョ教会』で右側の鐘楼部分が地震によって崩落、幸い人命には影響がなかった。
この事態を受けてアキノ大統領は17日に韓国に行く予定をどうするか検討中。本人は首脳会談の約束があるといって訪韓する意向だが、韓国に追従していると批判が強く、取り止めて被災地に入る見込み。
なお、今回の地震による邦人の直接被害は報告されていない。

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