11月8日、フィリピン中部ヴィサヤ地域を襲った、上陸した台風としては観測史上最大だった台風『ヨランダ』の被害は、国家災害対策本部によると18日現在、死者3976人、行方不明者1602人となり、負傷者数は約2万人弱となった。
この数字について関係者は被災自治体との連絡が途絶している所もあって、今後さらに増えると言及。
また、被災者数は44州に及び、223万4千世帯、1035万人5千人に上り、フィリピン人口の10%以上が被災したことになる。
この内、家屋の損壊などによって避難所などで生活を続けている世帯数は85万世帯、401万人となっている。
現在、フィリピン政府や各国、国連や民間団体などが被災地に入り、救援活動を続けているが、被害の大きかったレイテ島の最大都市タクロバン市に各国の報道と援助物資が集中気味。
同島遠隔地や同様の被害を受けたサマール島、セブ島北部には手が回らず、援助の不公正を指摘される事態も発生している。
また、タクロバン市内では緊急時には『何をしても良い』と、被災した商店から物を盗み出し、売りさばく行為が横行、モラルの放棄と無政府状態が新たな問題となっている。
こういった中、フィリピン政府と各国からの援助物資は配られているが、各自治体に向かう車両と燃料の不足により、円滑に進んでいない状態となっている。
写真は台風被害を免れたメトロセブ・マンダウエ市にある国際会議場地下で、援助物資を小分けしている作業だが、昼夜兼行24時間体制でボランティアが奮闘している。
しかし、港へ運ぶトラック、港からレイテ島へ運ぶ船舶の不足もあって、援助物資がスムースに移動できない状態となっている。
また、被災地の電気、水道などの社会インフラは『クリスマス』までに復旧させると担当のエネルギー省高官は言明しているが、あくまでも努力目標であり、被災地の今年のクリスマスは暗いクリスマスとなるのではと見られている。
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