10月18日深夜、知人と見られる邦人男性と一緒にタクシーに乗った32歳の邦人男性が首都圏ラスピニャス市(人口60万人以上)内の路上で、停車中のタクシーにオートバイに乗った人物が近寄り、ウィンドー越しに銃を発射。
邦人男性は顔と背中に45口径の銃弾を受け、事件発生から30分後に運ばれた病院で死亡が確認された。
警察の調べによると、被害者のカバンや現金などを狙われた様子はなく、金品を狙った強盗事件ではないとし、被害者と同乗していた邦人男性から事情聴取することにしているが、この男性は事件が起きた直後から現場から去り行方が知れない。
事件の目撃者となったタクシー運転手によると、行方の知れない男性は最初にいった目的地から何度も運転手に対して変更の指示を出し、途中に寄ったコンビニでは10分ほど停車し携帯電話でどこかと通話をしていたという。
その後、現場に近づいて男性は『小便をしたい』とタクシーを停車させ、現場近くの草むらに入って行った。
その直後に射殺犯がオートバイで現れ、後部座席右側に座っていた被害者に向けて銃を発射した。
運転手には危害は加えられなかったが、車外に逃げ、その後車に戻ったら殺害犯も同乗の邦人男性の姿は消えていたという。
こういった状況から消えた邦人男性が携帯電話で殺し屋に連絡を取りながら現場へ誘導、犯行に及んだのではと、姿を消したこの男性が事件のカギを握っていると捜査陣は行方を追っている。
この消えた男性と被害者は乗車中には時折笑いを交えて会話をしていて、双方に面識はあった模様。
また、この消えた男性は断片的に英語やタガログ語をしゃべっていて、フィリピンに在住するか、フィリピンとかなり縁のある人物ではないかと見られている。
被害者は山梨県韮崎市で整骨院を経営するが、フィリピンに来た理由などは不明で、事件前にタクシーを乗車した場所がマニラの歓楽街、マビニ通りであるために普通の観光客なのか、仕事がらみでフィリピンに訪れていたのか警察は被害者の生前の行動を捜査している。
この事件で、今年になってフィリピンで邦人が殺害されたのは7人を数える結果となったが、いずれも未解決で、この手の事件はフィリピン側の捜査能力の低さとやる気のなさで、ほとんどが迷宮入りとなっている。
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