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 射殺体は9月1日午前6時頃、近くの住宅地の警備員が発見したが、現場は長い塀の続く草むらで、発見現場からは45口径の空薬きょう3個が見つかっている。
被害者は山梨県で会社を経営する42歳の男性で、右胸と両肩に銃創を受けていた。
遺体には身元を特定するものがなく、最初は身元不明の遺体として扱われていたが、ポケットに日本の硬貨が入っていたために捜査当局が日本大使館に連絡した結果、身元が判明した。
被害者は8月29日にフィリピン入りし、同日に首都圏マニラ市マラテ地区にあるホテルへ泊まり、31日にチェックアウトした後の足取りは不明となっていた。
遺体発見者の警備員によると、前夜9時半頃、住宅地入り口の待機所で勤務中に4発以上の銃声を聞いたが、危険を感じたので翌朝に現場方面を調べに行き、待機所から100メートルほど離れた草むらで射殺体を発見した。
なお警備員は、前夜の銃声が聞こえた直後に、水色のバンがヘッドライトを消したまま走り去るのを目撃していて、このバンが事件に何らかの関係があると捜査当局は見ているが、現場付近は夜間の車や人の通行はなく街灯の間隔も広いために暗く、確実な証言を得るには至らなかった。
今回の被害者は2014年10月18日、ラスピニャス市で発生したタクシー乗車中に発生した射殺事件の関係者で、この事件は山梨県韮崎市で整骨院を経営する32歳の邦人男性が被害者となっているが、今回の被害者は前の被害者と一緒にフィリピンへ来て、新ビジネスを立ち上げようとしていた。
その後の調べで32歳邦人には今回の被害者の会社名義で1億円の保険金が掛けられているのが判明し、日本の警察当局も保険金殺人として捜査を開始していた。
32歳邦人射殺事件では一緒にタクシーに乗っていた別の日本人が山梨県警に射殺事件に関与したと自首をしていたが、県警は証拠が不十分として取り調べを打ち切り解放。
この男性はその後、所在は不明となっているが、その後、フィリピンに戻っていることが確認されている。
今回殺害された人物は、自身に保険金殺害の犯人ではないかとの疑いがかかっていることを知り、その真相を解明するために県警に自首した人物と会う目的でフィリピンに渡った模様と、その後の捜査で判明、この男が今回の射殺事件に深く関与しているのではないかと見られている。
そのため、2014年10月に起きた殺害事件の犯行関与者として自首してきた人物を解放し、しかも所在不明の事態を招いた山梨県警の失態は免れないとの批判がある。
ラスピニャス市は人口約60万人。写真の『バンブー・パイプオルガン』で有名な教会がある。
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