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フィリピンに在留する一部の日本人のいかがわしさは昔から言われている中、ダヴァオ市で日本の食材店を経営する小倉義一(59歳)とそのフィリピン人妻(57歳)が、日本の警視庁によって『詐欺』で逮捕、送検後に起訴された。
詐欺内容は日本に住む歯科医(60歳)とミンダナオ島ゼネラルサントス市に住む愛人(42歳)との間に生まれた子ども2人の認知と日本国籍を巡ってトラブルが発生。
この歯科医はマニラで旅行会社を経営する邦人(59歳)にこの件の解決を相談した所、ミンダナオ地方の事情に詳しいとされる元大手商社丸紅の社員だった小倉を紹介された。
小倉のフィリピンとの関わりは不明であるが、ダヴァオ市内で養護施設のようなものを運営し、日本でも関係団体で講演を行うような人物であったが、化けの皮は剥がれてしまった。
フィリピンでは安いコストで慈善活動が出来るために、こういった有象無象の篤志家と称する日本人の往来は激しく、中には違法スレスレの商売をカムフラージュするためにフィリピン現地でこういった活動を行う者も多く、NGOとして組織的に立ち上げていても胡散臭い団体は山ほどある。
詐欺事件だが小倉夫婦は2012年~2013年にかけて日本でこの歯科医と会い、愛人家族と親族関係者及び、交渉相手だった弁護士など11人の劇画もどきの皆殺しを提案。
歯科医は『いかにもフィリピンなら出来そうだと』と、その提案を受け入れ、最初に調査費として200万円、後日に900万円の計1100万円を支払った。
その後、荒唐無稽なこの小倉の提案は当たり前ながら実行されず、小倉は計画が実行されたように偽装工作をし歯科医を騙し続けていたが、大金を騙し取られた間抜けな歯科医が、結局日本の警察に事情を話して立件に至った。
ところが、この歯科医がマニラで相談した旅行会社を経営する邦人が2014年5月6日夜、マニラ首都圏パラニャケ市内にて車を運転中にオートバイに乗った2人組に射殺される事件が発生。
この事件で小倉夫婦は容疑者として浮上し、一度は地元警察によって殺人容疑で書類送検されたが、現状では物的証拠がなく検察は公判維持が難しいと捜査のやり直しを命じていた。
このため捜査は地元警察から国家警察犯罪捜査隊(CIDG)に引き継がれ、日本の警視庁も捜査員を2回派遣するなど立件に向けて動き、今回は歯科医に対する『殺人詐欺』で立件し、別件の旅行会社経営者殺害事件への関与を追っている。
今回の経緯では殺人を依頼した歯科医には法的制裁は加えられるだろうが、こういった馬鹿な日本人が馬鹿なフィリピン在留邦人を頼って何かと頼みごとをするケースで善意と称して金銭を介することもあり、また現地事情に詳しいと称する在留邦人にも注意が必要である。
ただし『類は友を呼ぶ』という言葉もあるように、そういった漫画的なレベル同士がつるむにはフィリピンは最適の国になるようだ。
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