乗客が空港でX線装置を通る時に、係員に預けた手荷物の中に隙を見て『銃弾』を入れ、それをタネに口止め料を要求する悪辣な係員が、マニラ国際空港には蔓延っていて、当局から手荷物を預ける際には目を離さないように注意が喚起されている。
この手口を行っていたのは運輸通信省交通保安局から空港に派遣されている職員で、本年9月から発覚したこの恐喝事件では25人が停職処分を受けているが、その後も同じ手口を繰り返す職員が後を絶たなく、フィリピン人には『モラルが欠如している』『当局側は取り締まる気が無く同罪』と内外から強い批判が起こっている。
この銃弾を故意に手荷物に入れて恐喝する事件は、乗客の国籍や職業、年齢、搭乗便に関係なく、また同国際空港内にある4つのターミナルの区別なく犯行が行われていて、大量の甘い処分者を出した後でも、多数発生。
今月25日に同空港第2ターミナルより羽田行きの便に搭乗する邦人が9mm口径の銃弾2発をカバンに入れられ、口止め料を要求される事件が発生。断った邦人は逮捕された。
また、同日の香港便に搭乗するフィリピン人就労者が第2ターミナルで同様の被害に遭い逮捕された。
これに先立つ同月17日には、アメリカ人宣教師が同様被害に遭い、口止め料として3万ペソを要求され、それを拒否したために逮捕されて保釈金を払うまで6日間も拘留される事件もあり、無実の罪で逮捕する当局の姿勢に疑問が投げられている。
マニラ国際空港は『世界一最低の空港』と長い間、評価されていたが、昨年ようやくいくらかランクを改善したが、こういった悪辣な事件が職員の間でまかり通っている状態から、次年度はまた『世界一最低の空港』の称号を受けるのは確実としている。
今回のような係員による恐喝事件を防ぐために、ボディーチェックをする係員と手荷物を検査する係員は犯行時に組んでいる可能性があるため、手荷物からは決して目を離さずに、怪しい動きをする係員を牽制させるよう自衛が必要と識者は指摘しているが、犯罪多発国際空港である事は確かで、次にどのような手口を連中は考え出すか今から予想している向きもある。
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