2015年9月21日、ミンダナオ島ダヴァオ市沖合にあるサマル島の高級リゾートでカナダ人2人、ノルウェー人1人、フィリピン人1人の計4人が拉致された事件が発生。

事件はイスラム組織と名乗るものの強盗、山賊集団と化している『アブサヤフ』によって引き起こされ、同年11月4日、アブサヤフは身代金として1人当たり10億ペソの計40億ペソ(約100億円)を要求。
この要求に対してフィリピン政府および関係国は『身代金の交渉をしない』と表明し、軍を中心に救出、捜索活動を続けていた。
その後、こう着状態は続き人質4人の生存は確認されていたものの、拉致グループはミンダナオ島スルー州内に潜伏していた。
ところが、本年の4月15日、インターネット動画を通じて同月25日までに身代金9億ペソを支払わないと人質を殺害するとの警告がなされた。
こういった中、国軍は同州でアブサヤフ掃討と人質確保ために潜伏地域へリコプターなどを使って攻撃を開始。
しかしながらアブサヤフの通告通り、支払期限の25日に、ホロ町でビニール袋に入れられたカナダ人の頭部が見つかった。
このカナダ人はフィリピン国内の鉱山開発を行う外資系企業の責任者で、カナダ政府はアブサヤフに対して非難声明を出すと共に、残る人質の安全確保と救出をフィリピン政府に求めた。
これに対してアキノ大統領は哀悼の意を示し、全力で取り組むことを表明したが、手詰まり感は大きく、残る人質の安否に不安が広がっている。
【写真はインターネット動画上の人質の様子で、殺害されたのは右に座る人物】
|