フィリピン有数の観光地で知られるヴィサヤ地方ボラカイ島で、9月25日午前7時40分頃、21人を乗せて練習していたドラゴン・ボートが強風と高波を受けて転覆し、8人の死亡が確認された。

同ボートにはフィリピン人と中国やロシアの選手が乗艇していたが、死亡した選手は全員フィリピン人で男性4人、女性4人となった。
調べでは選手は水泳は出来るとされるが、学校で水泳教育が行われないフィリピンは泳げない者が大多数で、そういった環境が今回の惨事に繋がっていると指摘されている。
また、転覆時に死亡した選手は頭を岩に強打したために溺れたともいわれているが、転覆個所は沖合300メートルであり転覆時に岩で頭を打つような場所ではないとの見方が強い。
このため、海象の見誤りと練習中にライフジャケットを着用しない同ボートの過信が一番の問題ではないかと批判が出ている。
ドラゴン・ボートは『龍舟』と書くように中国を発祥とするが、アジア各地域で人気は高く、レースも頻繁に行われ国際大会も開かれている。
ドラゴンボート・レースはフィリピンやアジアの多くの地域で人気のあるスポーツで、通常の船体は全長12メートルの木製、20人の漕ぎ手が左右にに並んで座り、後方に舵取り、前方にドラマー(鼓手)が乗り込む。
今回ボラカイ島で転覆したボート・チームは、11月に台湾の高雄市で開催される世界選手権に向けて練習をしていた最中での事故となった。
【写真はハンガリーで開催されたドラゴン・ボート・レース】
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