 2月10日夜10時3分、ミンダナオ島北スリガオ州でマグニチュード(M)6.7の地震が発生し、州都のスリガオ市(人口16万人)を中心に被害は広がっている。
一夜明けた被害状況は死者数は6人に達し、負傷者数は現地の混乱もあり数は確認されていないが、相当な数に上がる模様。
この地震によってスリガオ市内ではホテルなどのビルの損壊、橋の崩落や道路の損壊が発生した。
また市内の電気や水道などのインフラは一部を除いて確保され、商店なども被害を受けた店舗を除いて営業されている。
しかしながら、市民生活は混乱していて当局は『被災地宣言』をするか検討中。
今回のM6.7 は地震の分類では『大地震』のすぐ下になる『中地震』規模であり、2004年と2007年に日本で発生した『新潟中越沖地震』と同程度の地震になる。
2004年の場合は死者68人、負傷者5000人近く。2007年の時は死者15人、負傷者2500人近くの甚大な被害を受けていて、スリガオの今回の地震も耐震という考えは皆無のフィリピンのため被害の拡大が憂慮されている。
フィリピンは地震のない国と言うイメージは強いが、近代では死者5000人以上を生じた1976年の『ミンダナオ島南西部地震』があり、1990年には山の避暑地で知られるルソン島バギオで大地震があり、死者1600人以上、市内のビル家屋は相当数倒壊した。
また、2012年にはセブ島とネグロス島の間にある海峡で地震が発生し、ネグロス島を中心に死者105人を記録したが、セブでも死者や負傷者、ビルの倒壊が起きた。
このように『環太平洋火山帯』に属するフィリピンは地震が起きても不思議ではない地質構造を持っているが、近年雨後の竹の子のように増えたセブの高層マンションや民家は地震に耐えられる造りではないという指摘や、『備えあれば憂いなし』思想の欠如もあって、仮にセブ地方を大きな地震が襲った時にその被害は天文学的になるのではといわれている。
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