閉鎖命令理由は各種の条例違反を挙げられていて、とりわけ酷かったのは『騒音』で、近隣住民に夜な夜な肉体的苦痛を与えていた。

マンダウエ市長の従兄弟が経営する『セントラル』【写真】は昨年から半年以上にも渡って、店内で流す音楽を暴力的に垂れ流していたが、2月9日(金曜日)にマンダウエ市当局から閉鎖命令を受けた。
この他に同様業種の店1軒が同日に閉鎖命令を受けた。
現在のマンダウエ市長は地元選出の下院議員を2期務めて、前マンダウエ市長(現在下院議員)と公職を交換して当選した人物で、マンダウエ市の有力な一族出身。
この一族はヤマハのオートバイ販売で財を成し、マンダウエ市内に広大な用地を所有し、数年前には所有地に経済特区適用を受けたコールセンタービルを建設。
今回、閉鎖命令が出たセントラルは、この敷地内にあって、経営者はマンダウエ市長の従兄弟。
フィリピンは血縁、地縁で物事が動く国で、セントラルは騒音、路上への違法駐車など無法ぶりを発揮しても、警察も自治体もお構いなしであった。
また、被害を受けている近隣住民も『物言えば唇寒し』で、裏では怨嗟の声を上げても表立って、抗議の声を上げることもなかった。
これは、権力者と結びついている会社や店に苦情をいえば、殺されるとの恐怖があるためで、実際その例はフィリピンには無数に発生している。
今回の閉鎖命令に対して騒音に悩まされていた近隣住民は、『ザマー見ろ』と市長の措置を歓迎し『永久に営業させないでくれ』と要望の声を上げている。
セントラルはマンダウエ市の最高権力者の従兄弟であることをいいことに、営業を続けていたが、どのような風向きになったのかマンダウエ市長より閉鎖命令が出された。
来年は選挙のある年で、再選を狙う市長もさすがに地元民の苦情に対して無視できなかったのではとの見方が強い。
この閉鎖命令に対してセントラルは厚顔にもヴァレンタインディーに特別な催しをしようと画策したが、消防法違反などの問題点が改善されない限り閉鎖は解かれないと市当局は言明している。
フィリピンのこの手の店は、近隣の迷惑などお構いなしで営業するものが多く、群がる客も飲酒運転がほとんどで、警察当局の飲酒運転への甘さも問題になっている。
今回問題になった店は営業許可を受けているものの、バランガイ関係者やマンダウエ市、警察関係者に賄賂が流れていて、目こぼしになっていたのではないかとの疑惑もあり、安直に営業再開とならないように注視する必要があると地元新聞は指摘している。
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