中国湖北省の武漢が始まりとされる、新型コロナウィルスに寄る感染は世界の他の国に拡散し、2月15日現在で感染者数7万人近く、死者1500人以上となっている。

中国以外の国で最初の死者が確認されたフィリピンでも水際で防疫体制を取っているが、フィリピン国内で死亡が確認された2月2日、政府は香港、マカオを含む中国本土を訪れた外国人の入国を原則禁止した。
それが行き過ぎて2月10日、感染は確認されているものの拡大していない台湾に対して、同地に2週間以内に滞在した者に対して入国禁止措置を取った。
そのため、同日夜から台湾とセブ、マニラを結ぶ直行便のほとんどが欠航となり、翌11日に台湾で働くはずであった200人のフィリピン人が影響を受けた。
また、12日にはマクタン・セブ国際空港に台湾から帰国したフィリピン人78人が入国出来ず、セブに設けられた隔離施設に収容された。
こういった事態に対して台湾に労働者をあっせんする業界団体は渡航禁止措置に反対する声明を発表。
同団体は公式には台湾で18万人が就労していて、非公式を含めると実数はかなり多く、このため労働者はもとよりあっせん側も死活問題と強く反発している。
フィリピン側の渡航禁止措置に対して台湾側のフィリピン代表機関は『台湾が中国の一部という見方は誤っていて、新型ウィルスに対してWHO(世界保健機構)が流した情報に惑わされている』として、即時解除を求めた。
これはWHOの同疾病に関してWHOの最高責任者が中国寄りの発言を続けていることと関係があり、WHOの最高責任者は疾病に対する対策より、中国との関係から自身の保身を図っているとの批判が強い。
フィリピン政府の台湾への入国禁止措置は政府内でも反対意見はあり、労働政策を進める労働雇用省高官は反対意見を唱えていて、そういった意見を踏まえて大統領府は2月13日、『台湾への渡航禁止は中国が主張する一つの中国問題とは関係なく、純粋に国民の安全のため』と措置の正当性を主張。
ところが、翌日の2月14日になって政府は前言を翻し、フィリピン人に課していた台湾への渡航禁止と、滞在していた外国人の入国禁止措置を解除する発表した。
このように右往左往、朝令暮改の政府のあり方に対して、猛威を振るう新型ウィルスから国民を守れるのかと不安感が拡がっている。
【写真は新型ウィルス騒動前の武漢市の様子】
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