9月18日(土曜日)、首都圏パラニャケ市のショッピング・モールにて邦人向けの新型コロナ・ワクチン接種が始まり、約500人が接種を受けた。

第1回で接種されたワクチンはファイザー製で、申込時にアストラゼネカ、モデルナ、ファイザー製と選べるようになっていてファイザー希望者には良かったが、他社製を選択した者には外れとなった。
同接種はメールによる事前申込制で、日本国籍を持ち、フィリピン在留の有効なヴィザを所持し、過去にフィリピン国内で一度も接種したことがなければ誰でも申し込めた。
しかし、初回の接種は首都圏近在に住む邦人が対象となっていて、セブやダヴァオといった総領事館が置かれている地域、或いは遠隔地に住む邦人には不満が募った。
海外在留邦人にとっては幻の『10万円給付』問題もあって、日本政府はコロナ禍における海外在留邦人は『棄民』扱いとの批判が強い中、ようやくワクチン接種を行ったのは前進との評価もある。
従前から日本政府の責任でワクチン接種を行えないかとの要望は強かったが、フィリピンの法律によって医療行為は出来ないと在比日本大使館などは説明し、そこを実現させるのが『外交』ではないかと、外務省を始めとした日本側の無策ぶりには呆れる人も多かった。
今回実現したのは日本政府の補助金を使いマニラの日本人団体などが大使館と共に働きかけて、フィリピン政府側との交渉が実ったもので一歩前進と見られている。
その前進だが、地方から申し込んで選に漏れた人も多く、そういった申込者に対して、実施当局は以降の接種実現に向けてフィリピン政府側と調整中を理由に、2回目以降の実施は全く決まっていないと発表。
一方、国内自治体によっては国籍を問わず接種を行っている所もあり、日本政府を頼らずに接種を済ませている邦人も多い。中には国内の接種率が高まるに連れて何れ接種は頭打ちになり、誰でも打てるようになるので見通しの立っていない日本のワクチン接種に希望を託すことはないという人もある。
ワクチンに対してこういった願望や推測、果てまたフェイク・ニュースやデマの多いことがコロナ禍の特徴でもあり、それぞれの見極めが必要になっている。
なお、9月17日現在フィリピンのワクチン完了割合は約17%で、全世界の約32%の半分強という結果で進んでいないことが分かる。
【写真は今回接種されたファイザー製ワクチン】
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