 フィリピンは『世界で最も日本人が殺される国』の汚名を着せられているが、2016年は5月6日、セブ州中部ナガ市で55歳の邦人男性が射殺されただけで、例年にない邦人殺害事件の少ない年となっていた。
しかし、7月31日、マニラ首都圏に近いカヴィテ州イムス市(人口41万人以上)において、白昼堂々、しかも自宅から5メートルの路上で53歳の邦人が射殺される事件が発生。
事件は午前10時頃、被害者が自宅前の通りを歩いていると、オートバイに乗った男が被害者に近寄り、背後から拳銃で2発連射して走り去り、被害者は背中と首に銃弾を受けて同州の病院に搬送されたが死亡した。
銃撃犯はフルフェイスのヘルメットを着用し、サングラスをかけていて、犯行の目撃者は数人いたが他の特定に至っていない。
捜査当局は発砲の手際の良さから『殺し屋』による犯行ではないかと見ていて、使用された銃の特定、犯人の行方などを追っている。
被害者は28歳のフィリピン人女性と内縁関係にあり、事件のあった同地区に女性の家族から購入した自宅に同居していた。
同自宅隣には女性の家族の家があり、同女性との間には1歳の子どもがある。
また、被害者は、日本の貿易会社に勤め、内縁の女性と出会った2014年頃から、日本で2ヶ月働きフィリピンで1ヶ月滞在する変則的な生活を続けていて、被害者にはこれといったトラブルなどはないと被害者側の遺族は証言している。
しかし外出したと同時に襲われ、しかも確実に発砲していることから、捜査当局は意図的な殺人と見て、被害者の内縁女性やその家族などから詳しい事情を聴取している。
フィリピンの殺人事件で共通するのは恨みと金のトラブルで、特に恨みを買うと暴発し易い気質がフィリピン人には強く、過去の邦人殺害事件ではこの恨みが引き金になってしまったのが多い。
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