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 7月31日、マニラ首都圏に近いカヴィテ州イムス市(人口41万人以上)で53歳の邦人がオートバイに乗った人物から銃撃を受けて死亡した事件に続いて、8月11日、カヴィテ州に隣接するラグーナ州カランバ市に住む73歳の男性邦人が、自宅において腹部に刃物が刺さった状態で発見された。
第一発見者は被害者のフィリピン人妻34歳で、警察の調べでは妻は『午前10時頃、帰宅したら夫が刃物で刺され倒れていて、現金3万ペソ(約6万5千円)がなくなっていた』と証言し、警察は強盗事件として捜査を進めた。
しかし、捜査の過程でこのフィリピン妻には26歳のフィリピン人の愛人がいることが判明。
妻を追求したところ愛人と共謀して夫を殺害したことを自供し、警察は妻とこの愛人を殺人容疑で逮捕した。
一方、イムス市での殺人事件だが、被害者には複数のフィリピン人女性の愛人の存在が確認されていて、銃撃した実行犯はフィリピン人の愛人の関係者の線が濃厚と捜査当局は調べを進めている。
これによってカヴィテ、ラグーナの2件の邦人殺害事件は妻や夫に愛人が存在した上での嫉妬、痴情のもつれが犯行動機となった。
いずれも高年齢の日本人夫、夫婦間で歳の差の大きいフィリピン人妻の組み合わせで、マニラ首都圏郊外に一軒家を構えての居住など共通点が多い。
これまでにフィリピン国内で殺害された邦人の共通項は、若いフィリピン人妻が、日本人の夫の間に意思疎通が出来ず、物足りなくなり外に愛人を作り(あるいは最初から愛人の存在を隠して日本人と結婚)、その愛人から殺害されるという例が続出している。
フィリピンは『世界一日本人が殺される国』と評されているが、2014年の公式統計では全世界で8件の邦人が殺害されているが、その内5件がフィリピンで発生している。
フィリピンでの発生地域はマニラ首都圏が3件、首都圏に隣接するリサール州1件、ミンダナオ島1件となっていて、マニラ首都圏近隣で邦人殺害の多い事が分かる。
なお、世界でフィリピンに続いて邦人の殺される国はアメリカで2件、次にカナダ1件となり、北米大陸の危険性が浮き出ている。
また、同統計によると2003年から2014年までの14年間で殺害された邦人は109人で、その内36人がフィリピンで殺害されていて、『世界一日本人が殺される国』との評は数字で明らかにされている。
今年3件目の邦人殺害事件の現場となったカランバ市はフィリピンの英雄とされる『ホセ・リサール』【写真は同地にある銅像】の生家がある所で、日本人観光客が多く訪れる『パグサンハンの滝』で知られ、被害者の住むカランバ市は人口47万人ほどである。
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