
マニラ国際空港のX線検査時に『銃弾』を所持しているとして搭乗客などが逮捕される事件が頻発。
銃弾は乗客の手荷物検査の時に係員が入れ、それを材料に口止め料と称して係員が搭乗間際の乗客に金銭を要求する組織的な恐喝事件と指摘されていて、フィリピンでは大きな問題となっている。
これに対してアキノ大統領は『年間3400万人の利用客がある中で、銃弾で摘発されたのはたったの1200件で、その中でも容疑を否認しているのは極僅かなのに、事件は報道機関が誇張している』と見解を述べ、政権末期とはいえそのノー天気さに批判が集まっている。
こういった中、11月22日、マニラ国際空港からタイへ向けて飛び立ったタイ人2人が、違法薬物所持でタイ国内で検挙された事件が発生。
この事件は同月21日、32歳と34歳のタイ人女性がスーツケースにコカイン2.6キロを隠し、マニラ国際空港発エアアジアでマレイシア・クアラルンプールへ向けて出国。
この2人はクアラルンプールで乗り換えて、タイ国内のクラビ空港でタイへの入国手続きを行った。
クラビ空港での入国チェック時に税関職員がX線検査でスーツケース内にあったコカイン入りのビニール袋を発見したが、当局は2人を泳がし2人とコカインの行方を追った。
その結果、コカイン運び屋の2人が密輸業者に現地のホテル内で接触し、手渡すところを押さえてタイ警察が逮捕。
この密輸業者はアフリカ人で、検査の甘い地方空港を利用するなど、相当以前から計画的にフィリピンから違法薬物を運ばせていたと見られ、当局の解明が進んでいる。
9月にも同様事件が発生していて、こちらはフィリピン人女性4人の違法薬物運び屋がマニラ国際空港の検査をすり抜けながら香港国際空港で検挙されている。
これらは氷山の一角と見られていて『銃弾』には厳しい検査をするのに違法薬物に対しては『節穴』とマニラ国際空港の検査当局に批判が集まっている。
【写真はマクタン・セブ国際空港ターミナル・ビル入り口に放置されている検査装置】
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