 かつては日本人が殺害される国、フィリピンであったが近年は韓国人の殺害数が増え、最近の統計でも2012年が6人から翌2013年には12人と倍増し、2014年10人、昨年は11人と2桁台に達していた。
今年はその勢いは鈍っているが10月までに3人の殺害があり、今回の事件で計6人となった。
韓国人の殺害件数の増加はフィリピンに居住、あるいは渡航する韓国人が激増していることと関係があり、関係機関は対策に追われている。
今回の殺害事件だが10月11日早朝、ルソン島中部パンパンガ州バコロール町内にあるサトウキビ畑に乗り捨てられていた、アメリカ製のグレー色のSUV車内から男2人、女1人が付近を通りかかった農民によって発見された。
現地警察の調べでは当初、台湾人と見られていた被害者は在比韓国大使館担当者によって韓国人と判明。
被害者は48歳と47歳の男性と48歳の女性と氏名、身元など判明しているがこれら被害者がどのような理由でフィリピンに渡航していたかははっきりしていない。
被害者の状況は手足をパッキング・テープによって巻かれ、頭部に銃弾を受けていた。
このため、殺害手口がドゥテルテ政権が強硬に進める『違法薬物関与者抹殺』と似ていて、被害者たちは薬物売買に関与し、自警団と称する暗殺組織の始末、あるいは犯罪組織の仲間割れなどで殺害されたのではないかとの見方も出ている。
パンパンガ州は違法賭博の盛んな地域で、現知事の夫がその違法賭博に関与していると問題になった州で、バコロール町は人口4万人前後、戦時中の日本軍による『バタアン死の行進』で連合軍兵士捕虜が歩かされた道筋に当る。
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