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第67回ミス・ユニヴァースが12月17日、タイのバンコクで開催されフィリピン代表の『カトリオナ・グレー(24歳)』が選ばれ、同大会でフィリピン代表通算4人目の優勝となった。
フィリピン代表の優勝は1969年が初めてで、次いで1973年、その後優勝には遠ざかっていたが、2015年に42年ぶりに優勝し、今回に続いた。
これは国別で見ると、1位はアメリカ(8回)、2位ヴェネズエラ(7回)、3位アメリカ自治区プエルト・リコ(5回)に次ぐ優勝者数で、アジア地域ではタイ、インド、日本がそれぞれ2回で4回優勝のフィリピンは最多の国となった。
こういった快挙にフィリピンは手放しで喜んでいるが、今回優勝者は2016年の『ミス・ワールド』フィリピン代表に選出され、世界大会では5位に入賞している過去を持ち、ミス・コンテスト世界三大大会を渡り歩く人物として論議を呼んでいる。
このようにミス・コンテストを渡り歩く人物は多いが、カトリオナ・グレーの場合は2018年のミス・ユニヴァース国内選考会では主催者に参加を認めるよう運動し、認められた経緯があった。
この国内大会ではフィリピン各地から39人が参加したが、2016年ミス・ワールドの重石が効いて優勝するが、『出来レース』『八百長』との声も国内では高かった。
同人の父親はスコットランド系オーストラリア人で、母親はルソン島南部のアルバイ州出身だが、このように近年のフィリピンのミス・コンテスト優勝者は、両親がフィリピン人で本人もフィリピン居住者というのは珍しくなくなった。
そのため、2重国籍を持つ人物はコンテストに都合の良い国で出場することとなり、国別の候補者の分け方は今や古いとまでいわれている。
今回優勝した同人もフィリピンとオーストラリアの2重国籍を持ち、職業はモデル、歌手で、ジャズなど現代音楽分野で著名な音楽学校のアメリカ・バークリーで学んでいる。
2018年ミス・ユニヴァース世界大会は史上初めてトランスジェンダーがスペインから参加し話題を呼んだが、これは2012年のカナダ国内選考会でトランスジェンダーの参加者を失格として、批判を浴びたことから変わったもので、ミス・コンテスト史に新たな1ページを加えた。
一方、アメリカ代表など英語圏の参加者によるアジアからの参加者に対する人種差別、誹謗が公になって、当の参加者達の頭の中身はアメリカ大統領トランプと同じ幼稚園並みとの批判もあった。
こういった見世物状態のミス・コンテストは男性によるセクハラ、パワハラの巣窟で、こういった前近代的なショーは行うべきではないとの意見も強く、女性の社会進出が進んでいながら、ミス・コンテスト大好きのフィリピンも美女を輩出していると喜んでいられる時代ではなくなった。
【写真は前年優勝者から王冠を乗せてもらうカトリオナ・グレー】
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