沖縄で流行中の『はしか(英名measles)』は台湾からの訪問客からの感染と疑われている中、フィリピンでもはしか感染が急拡大していて、フィリピン厚生省は注意を呼び掛けている。

厚生省によると2018年1月から4月半ばまでに確認された患者数は805人で、これは昨年同期の患者数24人と比較して30倍以上の数字で、特に首都圏とミンダナオ島地域での流行が顕著で、全国での感染者死亡は15人となっている。
はしかによって死亡した15人の内、13人はワクチン接種を受けていなくて、ワクチン接種をしていれば防げた死亡と見られている。
このため、厚生省は4月25日から5月24日までの一ヶ月間、首都圏で未就学児童対象に無料のワクチン接種を行うと発表したが、これに対して他の流行地域からは不満の声が上がっている。
また、ワクチン接種に関して、人体実験ではないかと批判が出て取り止めた『デング熱ワクチン』の影響で、はしかワクチン接種の恐怖感も存在するために、同省ははしかワクチンは1970年代から接種していて『安全』と保護者に呼びかけている。
ワクチン接種は生後6~59か月の乳児を対象に地域の診療所や家庭を訪問して行うが、流行地となっているミンダナオ島地域でも5月9日からワクチン接種を行うとしている。
はしかは感染力が非常に強く、特に空気感染するために大量の感染者を生むが、現在はワクチン接種が有効とされ、日本では幼児期に接種するようになっている。
しかし、このワクチン接種も義務化あるいは接種率の低い年代があり、中でも年齢が高くなるに連れて感染リスクは高い。
ただし、はしかは感染を知らずに免疫を持った人も多く、またワクチン接種を受けていても感染する場合もある。
はしかは風邪と似た症状が出、高熱を発して発疹が身体に出るが、対処療法としての治療としての投薬はするが特効薬はない。
感染してから発症までの潜伏期間は7日から14日と見られ、この5月の連休中にフィリピンを訪れる各国の観光客は、帰国後に自己の健康状態と移動状態を注視する必要があると防疫関係者から注意が喚起されている。
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