フィリピンの資格試験で最難関とされる、2017年9月に行われた司法試験の結果が最高裁から4月26日に発表された。

最高裁によると今年の合格者は受験者数6000人以上で、合格者は1724人、合格率は25.55%となった。
前の年2016年は受験者数6344人に対して合格者3747人、合格率59.06%と史上最高の合格率となり、合格者の乱造と批判されたためか、今年は合格率が前年の半分以下となった。
このため。受験者の中には昨年受けておけば受かったという恨み節が聞こえ、法曹界からは2016年度合格者は質の問題があるなどと指摘され、要注意の年次とまで酷評されている。
司法試験の結果は点数と共に公表され、毎回1位合格者とそれを含むトップ10とに入る受験者が注目され、出身大学の宣伝もあって過熱している。
2017年の1位はネグロス島バコロッドにあるラ・サール大学出身者で、この人物は看護師から転身し、このように看護師や医師など医学系から司法試験に挑む例は多い。
また、ラ・サール大学はマニラを本拠とする名門大学だが、地方の大学出身者が1位を占めたりトップ10に入ることはこれまでに多く、地方といえども学業優秀な人材はあるという証明にもなっている。
司法試験というと国立フィリピン大学がかつては強かったが、今はそれほどの実力はなく、有名私立大学の躍進が目立ち、トップ10は全部私立大学出身者で占められた。
特にセブ市にあるサン・カルロス大学【写真は同大学メインで法学部は裏手にある】は司法試験に強く、昨年は受験者全員が合格、今年も受験者数70人の内合格者65人、合格率93%という驚異的な数字を上げた。
また、トップ10には2位、4位、7位と同大学出身者が入り、6位、9位、10位と3人を送り込んだサント・トーマス大学など私学の健闘が目立った。
こういった資格試験でトップ10に入ると出身大学側は賞金を贈呈したり、中にはトップで受かったら車をプレゼントという行き過ぎた大学もあるが、大学の宣伝にはもってこいなので、中には地方の優秀な学生をスカウトして仕立てるという、日本の甲子園出場を目指す私立高校の様な私大もある。
フィリピンは司法試験に合格すると、日本の様な司法研修はなく、最高裁の宣誓を経て登録すれば弁護士活動はすぐに出来る。
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