今年のミス・セブはサン・カルロス大学で観光コースを学ぶ22歳の学生『Apriel Smith=エイプリル・スミス』が栄冠を勝ち取った。
 彼女はセブ島西岸にあるダイヴィングで知られるバジャン町出身で、父親はアメリカ人、母親フィリピン人で身長175センチメートル。
近年のミス・コンテストは生まれつきの容姿端麗だけでは栄冠を得ることは難しく、ミス・コンテスト者用養成学校に通って磨きをかける必要があり、世界的にこの手の学校は盛況になっている。
また、『コンテスト荒らし』とも評される、各種ビューティー・コンテストに多数応募し、優勝や入賞を果たす者も多く、中には前年に2位であったために翌年の同じコンテストに出て栄冠を得るなどの例も珍しくはない。
今回の2017年ミス・セブに輝いたエイプリルは前年のミス・セブにはトップ15人に残り、今年雪辱を遂げた訳だが、この手のコンテストは広く人材を発掘する意味から、何度も同一コンテストに出るのは問題があることに批判が出ている。
エイプリルのミス・コンテストの経歴を見ると、15歳の時の2010年に飲料企業主催のミス・オリンピックに優勝したのを皮切りに、2012年にはミス・セブ市オリンピック、ヴィサヤ地域で最大のお祭りのシヌログ・クイーンに選ばれている。
また、セブ島内の他の町で2011年にミスに輝いていて、地元のバジャン町では2015年にミス・ツーリズムに輝いている。
またセブ市に隣接するマンダウエ市のコンテストにも出場した2013年には3位(優勝者を含めると4位)に入賞。
ミス・コンテストの盛んなフィリピンは最小行政区になるバランガイでミスを選び、次にその町、市で代表を選び、最終的にはマニラでミス・フィリピンを選ぶようになっているが、人間の眼で見る基準のために情実が横行し、その美しさとは裏腹な世界ともいわれている。
中でもフィリピンでミス・コンテストが盛んなのは地元の顔役や政治屋が愛人を物色するためとまで言われていて、そういった例も確かに多い。
これは端に容姿端麗だけではコンテストを勝ち抜けなく、スポンサー=金主次第という事情があるためだが、電気もない家で育った子どもがミス・フィリピンになった例もあり、貧しさから脱出するのに容色も役立ち、必要なフィリピンの現実を物語っている。
【写真はセブ第一の観光名所『マゼラン・クロス』】
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